どうしてイラストレーターになったのか⑤行けばいいじゃんインド
職業講話当日。
人前で話すのはあんまり得意ではないので、さっさと終わりたい。私を含めて4人が話をすることになってましたが、話す順番は不明。
私は安直なので「当日、一番最初に行ったら一番最初に話すことになるのではないか」と、予定の集合時間より早く中学校に行ったのですが、先生から告げられたのは、
「…で、まさりさんは4番目、一番最後にお願いしますね」
え”っ! え”−−−っ!?
な、なんでですかーー!? 年齢順?? …トリはイヤだー。
どうする…どうする…
他の3名は20代、30代の男性でした。順番にお話を聞いていると、それぞれ皆さん、色んな具体的なアドバイス(勉強の仕方とか挨拶をちゃんとした方がいいとか)もされつつ、全体的なトーンとしてはやっぱり、
「夢や目標を持とう!」
という話なのです。
…まずい、非常にまずい。
この流れで、私、一番最後に「夢や目標がなくてもいい」っていう話するの!? ちゃぶ台返しもいいとこじゃないか。まずすぎる。
話を聞きながら、よし、こうなったら私も「夢や目標持ちましょう」路線に話を変更しちゃう? いやいや、こんな土壇場でそんな器用なことはできないし、そもそもそんな思ってもいない話はできないよ…どーしよー。
と、悩んだあげく。
もういいや、なんでも。
開き直りました。これぞ年の功ですよね。おばさん力というか。
そして他の3名の方に申し訳ないなーと思いながら「夢や目標がなくても焦らなくていいんだよ、私だってそうだったんだから」という話をしました。ごめんなさーい。
そして時間が余ったのでもう少し。
「焦る必要はないんだけど、1つアドバイスするとしたら、やってみたいコと、気になるコト、とにかく行動はした方がいいよ」
「頭で、できるかできないかとか、こんなことしても将来役に立たないとかあれこれ考えないでまずやってみて」
と、付け足しました。
人って色々思いつくんですけど、実際行動するかというと実はそうでもなかったりしますよね。でも、行動することってホント大事だよなーと49年生きてきて改めて思うんです。
何か自分がやってみたいと思うこと。試しにやってみたら「やっぱり好き!面白い!もっとやりたい!」って思うかもしれないし「あれ?? 思ったのと違った…」って思うかもしれない。
行動した結果、失敗しても「そういうのは好きじゃなかった」「この方向は違ってた」って自分でわかることも大事だと思うんです。
そういうことって、頭で考えててもわからないんです。
エジソンも言ってるじゃないですか。
「私は失敗したことがない。
ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ」
そう! やってみないとわかんないんですよ。
私もイラスト以外に色々興味のあることはやってきましたが「これは私に向いてない」ということがだんだんハッキリすることで「自分はこういうことが好き」っていうこともハッキリしてきました。
それに行動することで、まわりの人間関係や状況が変わることもありますよねー。
思いもよらないところから、その行動が何かにつながることもあるわけです。
私の卒論みたいにね。
私の大学時代の友人に「私、インドに行って悟りたいの!」と会うたびに熱く語る子がいました。
社会人になっても言い続けているのです。
で、ある日、あまりにしつこく言うので、
「最初に会ってからかれこれ○年、ずっとインド行きたいって言ってるけど、本当に行きたいんなら、行けばいいんじゃないの? 働いてるんだからお金もあるでしょ?」
と、つい本音が出てしまったところ、
「ひどーいっ! まさりちゃんって冷たい人だね!! 私の気持ちなんてわからないよね!」
…うん、わからない(←そういうところがダメ)
すっかり嫌われしまったのですが(・∀・)…そうなんです、私、若い頃は特に、女子のお悩み相談的な会話が苦手で、共感して「うん、うん」って聞くことができなかったんです。
ついつい、あなたがそんなに悩んでるなら、と解決策を現実的に考えようとして嫌がられる。男性的なんですよね…。
ただ、子どもを産んでからは「うん、うん」って聞くだけの大切さもわってきたので、前よりはマシになりましたが…。
彼女と会ってからそろそろ30年、未だにインドには行ってないようです。
いまだにインドに行きたいと思っているかどうかは知らないですけども。
何か言い訳したり、理由をつけて行動を起こせない自分がいるたびに、彼女のことを思い出すんです。
行けばいいじゃん、インド。
やりたかったらやればいいじゃん、自分。
って。
おわり。
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