【エッセイ】家飯に鳥は出ないが魚は出る
私は鶏肉が好きだ。
豚肉も好きだけど、その2つの食べたい比率とかスパン的には
半々くらいの気持ちぐらいある。
牛肉は……たまにでいいかな(貧乏性)
家の飯はほぼ10割、母親が作っている。
私も自分の分ぐらいは作れるが
そこまでレパートリーは多くないし
父親と3人分を作ることが多いし
昔は兄弟もいたから、とにかく任せきりである。
んで、家の飯にはとにかく鶏肉料理がでない。
昔から親子丼以外で出てくることは極少なかった気がする。
そして、魚はほぼ欠かさず出てくるが
子供の頃は、焼き魚の定番であった
イワシとかサンマとかシシャモというのは
ご飯が進むものではなくあまり好きではなかった。
(まあ食べ残すほどではないが)
まず鶏肉が出ない話を片付けよう。
簡単な話、父親が好きじゃないからだ。
母親も鳥の造形(足とか生肌)が好きではないと言っていたので
その辺の理由も多少あるかもしれない。
最近でこそ、スーパーの鳥南蛮や唐揚げ、チキンカツなどが
2週間に1度くらいはでるようになったが
飲酒中でも米食中でも父親が手を付けることはほぼない。
理由は語らないので分からない。
(昔、鳥を飼っていたのが理由とかかもしれない)
次に魚がなぜ毎回のように出るかの話。
簡単な話、父親が好きだからだ。
米を食うときも真っ先に魚に手を伸びることが多いのだ。
わざわざ朝早く、朝市……魚市場に行ってきたり
アユやワカサギなどを釣ったりするぐらいだ。
まあ確かにスーパーの販売品などよりは美味しくはある。
家のことなので、これが普通だと思っていたが
「魚が出る家庭はうちぐらい」と母が言ったことで
うちの魚事情についてはそこで気づくことができた。
「鶏肉がでないのは父親が嫌いだから」と母が言ったことで
大人になってから気づくことができた。
昔、何らかのタイミング……祝い事とか季節の節目とかで
家族でファミレスに行くことがあった。
まあ社会勉強も兼ねてというのもあるだろう。
そこで普段は料理を自由に選ぶ権利のない兄弟が
思い思いの料理を頼むのがごほうびであった。
私は何度か通ううちに『若鶏の甘酢あんかけ』を毎回頼むようになった。
中華料理を少し知った今では、『油淋鶏』があればそれを頼む。
ファストフードのなんとかチキンが無性に食べたくなる時がある。
普段食べられないものを食べたい性格や嗜好が
そんな生活習慣から形成されていったような。
……そんな気がふとしました。