岩本・西森の金曜日のパパたち
月曜から木曜まで、ABCラジオでは午後3時から「ウラのウラまで浦川です」が放送されています。
金曜、同時間帯に放送されているのが「岩本・西森の金曜日のパパたち」。この春から始まったABCラジオの目玉番組の一つです。
ここでしゃべっている岩本計介アナウンサーとは丸5年、ABCテレビ「おはよう朝日です」で月曜から木曜まで毎朝ご一緒していました。
週4日、年間200日を5年。1000回は生放送を共にしました。
これは、なかなかのことです。
僕は中学、高校、大学とラグビー部でしたが、ざっくり計算してみると、10年間でした試合の数が300~400。
比較すべきものの色がかなり違いますが、どちらも重圧がかかります。
ラグビーは肉体的に命がけ。生放送は社会人として命がけ。
そこで、否応なく、いろいろな局面に立ち会ってきましたが、僕が思う岩本さんの一番優れているところは“ちゃんと面白い”ところです。
京都大学法学部卒業。アメフト部出身。文武両道のパーフェクトヒューマン。
僕の体感として、こういう人は得てして面白みがなかったり、単純に面白くなかったりすることが多かったりしますが、岩本さんは、きちんとひねくれている。
テレビでは、その出しどころがなかなかないのかもしれませんが、ラジオでは幾重にもそれが出せる。また、出さないと意味もない。
今日の「岩本・西森の金曜日のパパたち」では、大きなくちばしが印象的なハシビロコウの話題になっていました。
「かわいい」「ほほえましい」「癒される」といったコメントしか許されない同調圧力がかかる動物の話題で、岩本さんは「世界中にいる動物で、一番嫌い」「めちゃくちゃ気持ち悪い」と完熟トマトがスパスパとスライスできるくらいの舌鋒の鋭さを連発していました。
大きな鳥類、猛禽類に対する所見が厳しい。それは1000回の共演の中で知っていましたが、それを思いっきり発射しているサマは、この上なく痛快でした。
これがラジオの強みであり、可能性だと強く感じた瞬間でもありました。
補助輪を外した下の娘の自転車にスタンドをつけるという重要任務にあたりながらの聴取だったので、脳の力の8割を持っていかれた状態ではありましたが、それでもしっかりと心に残る痛快さでした。
そんな思いと、豆腐に塩を振ったものをアテに、妻が買ってきてくれた高級最新ビールを飲む。幾重にも味が膨らみます。
「ラジオと塩はどこまでも素材の味を引き出すことを再確認したから、4月23日はピンクっぽい岩塩記念日」と自由律に昂りを押し込む46歳。