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出逢い

スカイブルーの瞳(め)をした、あの子
出逢ってしまったのさ
肩から膝まで、眩しい白で
とっちゃん坊やな彼氏が連れた
大きいツバの麦わら帽子
明けても暮れても、あの子はあの子
自慢の鼻は、ツンと小さい
立派なデコルテ、お箸のように
真っ青な空
真っ青な海
真っ白な雲
赤い自転車
古ぼけた無人売場
錆びついたバス停の表示
遠く遠く、とうもろこしは少し顔を出し
滲んだ汗が目に入って笑う
継母と義母の記憶折り重なって
あの子は虹の申し子となった

開けっ広げなこの街の
細かい描写はジリジリ暑く
昇った太陽は真直角に僕を撃つ
昇るのは遅く、落ちるのは速く
瞬きの後には
浴衣の人形が線香花火をつまむ
見つけたんだ黒曜石
出店と出店と出店の先で
月明かりが表面を滑って
あの子と僕の視線を繋いだ
手に取ったんだ黒曜石
僕が先に見つけた
物欲しそうな唇に、人差し指は添えられ、揺れて
ビニール袋の金魚は盲目
あっちとこっちを見ているフリした
かんざし、かんざし
境内の色は黒
狐の灯籠は儀式のフェイク
バランスを崩して尻もちつくと
ゴツゴツ石の、当たる音がした
意味は考えない
意味は考えない
感覚の産物
夏の副作用
デトックスが耳に残り
また、耳から離れない
寒椿が好きって言ってたっけ?
ラジオネームすなふきんさんから
お便り届いてます
ロードムービーの順位発表
激烈な唐辛子の話
チリチリ、パッパ
チリ、パッパ
世界のどこにいても
星空は数学の授業中
今日は風もない
大きな気が、
大きな態度、
大きなモーションで伝える
肘掛けのない椅子
絶妙のバランス
吹き抜けた本堂の風は、
大声で咳き込むオッサンのアレと一緒だ
雫をねぶる、カミキリムシは真顔
笑ってしまう
はにかんだのは、二人して
右手に持った風船を
見えない金魚が見つめたまんま
せっかちだとは決して思わない
僕がまだ14歳だから
当然と言えば当然
安全かと聞かれれば不安全
不純かと確かめられたら、それは人による
だってまだ、
僕が14歳だから
あの子の歳は分からない
戸籍謄本なんて嘘っぱちは嫌いだ
句読点の音律
言葉の節目
忘れない、決して忘れない
 
ただいま、この街
さようなら、去年のシロツメクサ
大きく息を吸い込んで
バックパックに宇宙を入れて
ブルースカイ、スカイブルー
スカイブルー、ブルースカイ
季節が秋に遠のく前に、
ブルースカイ、ブルースカイ

尋常じゃない平穏を僕に

今のところサポートは考えていませんが、もしあった場合は、次の出版等、創作資金といったところでしょうか、、、