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参観日

「ドリー・ジャニュアリー君」
「ハイ!」

 僕はいつになく、元気に真っ直ぐ、右手を挙げて返事をした。ジャニュアリーというラストネームは、みんな珍しがるんだけど、僕の生まれた村ではほとんどが同じ名前(みんな1月生まれ)だから、僕は街の学校へ出てきて面食らったんだ。

 元気よく返事をした後は、くるりと時計回りに後ろを向いてウインクさ。一生懸命に手を振るママに合図するんだ。ママは参観日だから、見たことのないスーツみたなのを着てる。化粧は他のママより薄い気がするけど、いつもよりは濃いな!

 そして、本読みの時にはテンションMAXで読み上げる!ラテン語は苦手なんだがな。
「アモル!マギステル!エスト!オプティムス!」
 ガタガタと椅子を鳴らして座った後は、反時計回りに後ろを向き、鼻下を指でスリスリ、目を細めてママを見る。ママは頷いて大拍手さ!
 
 何度も言うようだけど、ママの衣装は最高だな。唯一気になることは、他のママ達が履いているような光る靴を、ママは履いていないってことだな。厳密に言うと、ジュディーとコールマンのママも履いていないけれど、あいつらにはどうせシックスセンスがないからな。その事について、あいつらと話したことはないけれど、見えてりゃ後ろを振り向くもんな!

 授業が終わったら、ママと記念撮影。マキシムに頼めば、嫌々でもシャッターを切るさ。あいつには貸しがあるからな!
「おい、不自然にスペース空けるのやめてくれよ」
「何言ってんだ!ママが写らないだろ。そこで固定だ。しっかり撮りやがれ!」
「俺に憑いたりしねぇだろうな?」
「それはママ次第。うちのママ、お茶目だからな」
「やめろよ」

 マキシムが撮った写真は、想像以上に完璧だった。ママも僕も、ニッコリ笑顔のダブルピースが決まってらぁ。

今のところサポートは考えていませんが、もしあった場合は、次の出版等、創作資金といったところでしょうか、、、