#63 11年前の今日、日野原重明先生の教え
1.11年前の今日、日野原重明先生のサイン会
過去最大級と評された台風14号は、昨日、温帯低気圧に変わりました。
安堵する一方で、被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。
11年前の今日も、台風15号の首都圏直撃が取り沙汰され、交通機関の大混乱が懸念されていましたが、同日、新宿の紀伊国屋書店で開催された日野原重明先生のサイン会は、私にとって、生涯忘れることのできない日です。
この日、200人の長蛇の列に並び、初めて日野原先生と対面しましたが、
日野原先生は、交通機関の遅れによる疲れを少しも見せることなく、一人一人に声をかけながら、一冊ずつ丁寧にサインをして行かれました。
2.「いのちを育む」(日野原重明著:2011年9月 中央法規出版)
日野原先生直筆のサインをいただいた同著を、毎年この日が来ると本棚から取り出して読み返します。
3.蒼穹に理想の円を描く
あの日から11年経った今日、改めて、日野原先生の「いのちを育む」を読み直しました。各所に付箋をつけており、感じ入って読み進んだことが思い出されます。今日は、この11年、自分はどう生きて来たのか、と自問しながら、読み進みました。
同著の「はじめに」「おわりに」記されたように、日野原先生が望まれたようには、世界は動いていないように思われます。
しかし、「世の中のせい」「他人事」とせずに、『自分事』として考える中にこそ、小さなヒントが見つけられるのではないでしょうか?
蒼穹に理想の大きな円を描き、その円の弧の一つになりましょう。
この言葉の出典は、ロバート・ブラウニングの詩、とされています。
日野原先生が創設された「新老人の会」のFacebookページにもこの言葉がありますが、受け継いだいのちのバトンを、次の世代に託す。1人では『円』は完結できなくても、『弧』として生き、次の世代にバトンを渡すことができるー「いのちを育む」の中の日野原先生のメッセージ「いのちの使い方」「いのちはめぐる」を、改めて自分に問い、小さな存在ながら歩みを進めて行こうと自分に告げた1日でした。