#33 「心のマスク」を外す
1.今日は「大寒」~東京は28年ぶりの氷点下を観測
今日は二十四節気の「大寒」。暦の上では一年で最も寒い時期にあたります。東京の朝の気温も氷点下(-1℃)となりました。東京で大寒の日に氷点下の気温を観測するのは、1998年以来24年ぶり、とのことです。
本格的な寒さは、これからが本番ですが、それでも、「冬至」を境に、着実に日も長くなっています。”まだ遠い春の足音に耳を澄ます”ー先週から、公園の梅の花も少しずつ咲き始めました。冬至の別名でもある「一陽来復」の思いで日々を過ごす、あと2週間余りで「立春」です。
2.「心のマスク」を外す
2年間に及ぶコロナ禍の中で、マスク着用はすっかり定着しました。「マスク着用」「3密回避」「ソーシャルディスタンスの確保」ー感染拡大防止を謳う言葉が溢れる中、たまに、マスクをしていない人に出くわすと、瞬時に警戒モードに入る自分がいます。それだけ、マスク生活が、良くも悪くも「習慣化」した、ということだと思います。
先日、ラジオで”「心のマスク」を外す”という言葉を耳にしました。 「ソーシャル(社会的)・ディスタンス」は「フィジカル(物理的)・ディスタンス」に言い換えるように推奨されてはいますが、物理的な距離を置くことが、無意識のうちに、心理的な距離をおくことにもつながっています。 ”「心のマスク」を外す”、は良い言葉だなと思いました。
「心のマスク」~誰がこの言葉を使ったのだろうと思って検索してみたところ、昨年11月30日付の読売新聞のコラム記事を見つけました。
記事の中で、「少年の主張全国大会」で、”「心のマスク」を外して”というテーマでスピーチを行い、文部科学大臣賞を受賞した平澤朋佳(のりか)さん(山梨県甲陵中学校3年)のことが紹介されていました。
3. 令和3年度「少年の主張全国大会(第43回)」を観る
「少年の主張全国大会」の模様、特に、最終選考に残った12名のスピーチを、インターネットで視聴しました。1979年(昭和54年)に始まった「少年の主張」を、私はこれまで観たことがありませんでしたが、毎年40万人以上の中学生が応募しているとのことです。
ともすれば、「今どきの中学生は・・・」などと、先入観を持って見がちですが、彼らが選んだテーマはいずれも高い問題意識を感じさせるものであり、真っすぐに語り、問いかけて来る姿勢に、大きな感動を覚えました。
「デジタルネイティブ」であり、「スマホ世代」ですが、そんな、彼らが、しっかりとした問題意識を持って、コロナ禍の中で、新たな学びや気づきを得て、行動を起こし、自分の考えを発信していることに対し、私は、驚き、これまでの認識を改めました。
★「少年の主張全国大会」の結果、スピーチが視聴できます。(↓)
4.対面vsオンライン(其々の強みと課題)
この2年間、対面でのコミュニケーションが制約を受ける中、オンラインでは様々な取組がなされ、その機能性も格段に向上したと思います。
「オンラインは対面の代替以上のもの」との認識で、オンラインならではの取り組みや工夫を取り入れて、セミナー等も実施していますが、それでも、オンラインでは実現が難しいことがある、と感じています。
コミュニケーションの目的が、「情報伝達」と「感情共有」であると考えたとき、どうしても、「感情共有」の部分で、オンラインでは限界があります。
”オンラインでのコミュニケーションが、脳にどういう影響を与えているのか”ー1月17日付の朝日新聞(デジタル)で、川島慶太教授の分析が紹介されました。
★貼付のリンクは、有料記事の為、全てはご覧になれませんが、川島教授の分析のポイントを記載します。
川島教授の分析は、SNSの多用による弊害や子供への影響にも言及し、重要なメッセージを発信しておられます。
この2年間のコロナ禍の中、オンラインの導入が世の中を大きく変えて来たのは確かですが、川島教授の分析は、一つの警鐘として受け止めたいと思います。
対面(リアル)とオンラインの使い分け、オンラインの機能、強みと弱みをきちんと理解した上で、活用していくべきものと考えます。オンライン研修の組み立てにおいて、感情共有/行動変容に関わる部分で課題と感じていた所は、もう少し丁寧に考え直します。
新型コロナ、オミクロン株による感染再拡大の状況下、3回目の接種タイミングを睨みながら、マスク生活はまだまだ続きそうですが、それでも、「心のマスク」は外して行きたい。心を開き、マスクの陰に隠れて見えないものに思いを致す、想像力を働かせるところだと思います。
コロナ禍にあっても、みずみずしい感性で発せられた、真っすぐな若者のメッセージに共感し、前に進む元気をもらいました。