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#42 朝ドラに学ぶキャリアの教え

1.4月1日:新年度の始まり

4月1日。新年度、新入学、新事業年度、新会計年度・・・。
全てに「新」がつく年度(365日)の最初の日です。
また、本日から改正民法が施行され、「18歳成人」がスタートしました。

多くの企業で、入社式が開催されています。「今年は、7割が対面での入社式開催」との報道を目にしましたが、それぞれの場所で、ひとひとりが、新しい時代、新たなキャリアの幕開けを感じる日だと思います。

キャリア」を狭義の職業的キャリアに留まらず、家庭や趣味、地域活動など多様な関わりの中での生き方を表わす「ライフキャリア」と捉えた場合、キャリアの転機につながるライフイベントには、色々なものがあります。

「個人的なもの、職業的なもの」の代表的なライフイベントを例示しましたが、これ以外にも大小のライフイベントが人生を変化させて行きます。

2.朝ドラに学ぶキャリアの教え

3人のヒロインが織りなす100年のストーリー”:朝ドラ「カムカムエヴリバディ」もいよいよ最終章、クライマックスを迎えます。

「ヒロイン・主人公の成長物語」ともされる朝ドラでは、これまで1人の役者さんが晩年までの半生を演じていましたが、今回は、3人のヒロイン(母-娘-孫)が、100年(1925年~2025年)を演じます。
どういった展開になるのか、当初から興味深々でしたが、「”朝ドラ”史上初!」の企みに、驚きと感動を持って、毎回視聴し、本日(第107回)の視聴を終えました。

「人をつなぐ、時代をつなぐ、心をつなぐ」100年”を描くために、「あんこのおまじない」、”On the Sunny Side of the Street”、ラジオ英語講座」が大きな軸となる一方、出演者のセリフにも、心に響く素晴らしいものがありました。

カムカムエヴリバディの名セリフ

こういったセリフが、人を替えて、日本語と英語の両方で話されたのも、今回の大きな仕掛けのひとつ、だと思います。
番組を貫く大きなテーマとして、「どこの国の音楽でも自由に聴ける、自由に演奏できる。僕らの子供にはそんな世界を生きて欲しい。」ー稔の言葉が生きて、届いているように感じます。

3.点と点をつなげる:キャリアの考え方

今週(第107回まで)で、2003年までが描かれました。
1925年から78年、番組の中には、「あれ!?」と思わせるような、さりげない「伏線」がちりばめられており、『伏線回収』の展開を、予想し、楽しみ、期待する多くの声が聞かれました。

私も、次の展開を予想し、「私なりのシナリオ」を描いては、感情移入して番組を見続けて来たひとりですが、脚本家藤本有紀さんのそれは、予想をはるかに上回るものでした。その筋書き作りの巧みさ、全体構成の素晴らしさは、驚きです。

番組は、大きな糸で、作者によって、点と点とがつながれ、丁寧な構成のもと、順次展開されて来ました。勿論、作者は、全ての展開、伏線、結末まで、ストーリーの全てを知った上で、番組は進行しています。

一方、我々のキャリアは、キャリアの途上の「今ここ」で経験する出来事ーいわば「」としての出来事ーが、将来のどこにつながるのか、「現在ー過去ー未来」の点と点とが、どう繋がるのか、誰にも、本人さえも、わかりません。

登場人物の名セリフには、キャリアの考え方に通じるものがあります。
・棗黍之丞(なつめ・きびのじょう)
暗闇でしか見えぬものがある。暗闇でしか聴こえぬ歌がある
・ロバート・ローズウッド/アニー・ヒラカワ
英語の勉強をこれからも続けて下さい。きっとあなたをどこか思いもよらない場所まで連れて行ってくれますよ。」
Keep on learning English.I'm sure it will take you somewhere you never imagined.”(※Keep on”
 ・伴虚無蔵
日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ。
※”Keep on!”は、五木寛之さんも、大切にしている言葉として紹介され、2月19日付note にも投稿しました。
https://note.com/masaokoyano/n/nfac94b192a54


キャリア理論としての「プランドハップンスタンス理論(計画された偶発性理論)」、田坂広志先生の「五つの覚悟」に、相通じるものを感じました。

キャリアの転機にあって、「プランドハップンスタンス理論」は、どちらかと言えば、『』を支える言葉として、一方、田坂先生の「逆境を超え、人生を拓く『五つの覚悟』」は、『』を支える言葉として響くのではないでしょうか。

「今ここ」を精一杯生きる中で、「現在ー過去ー未来」の点と点がつながり、ストーリー(物語)になるー そのストーリー(物語)は、必ずしも、当初描いていたものではなくても、自分で選び、自分で描いた人生のストーリー(物語)と言えると思います。

5つの要素(クランボルツ)と五つの覚悟(田坂広志)

★田坂広志氏講演動画:

4.ライフシフト:人生100年時代を生きるストーリー

「カムカムエヴリバディ」が、”3人のヒロインが織りなす100年のストーリー”とすれば、”人生100年時代を生きるストーリー”を描くためのヒントとして、「ライフシフト2」(アンドリュー・スコット/リンダ・グラットン著)にも注目したいと思います。

人間として花開くための土台をなす3つの要素(ライフシフト2より)

ライフシフト2では、人間が花開く3つの要素として、①物語、②探索、③関係の3つを挙げ、中でも「物語」に、最も重きを置いています。

「物語」の章では、「好奇心を持つことの大切さ」、と共に、人生のストーリーが『再帰的』であること、「今ここ」の行動が、将来の(好ましい)選択肢を作ることを示唆しています。

※(参照)ランチェスカ・ジーノ https://www.dhbr.net/articles/-/5848

5.社会にでる君へ

半年前から、原島博先生(東大名誉教授)の「土曜つぶやき塾」に参加していますが、先週(3月26日)、原島先生は、「社会にでる君へ」というテーマで、お話されました。

私はミドル・シニアのキャリア支援を中心にキャリアコンサルタントとして活動していますが、若者の今後のキャリアにも大きな関心を持っています。

皆さんが、社会人としての第一歩を記した今日、豊かなキャリアを形成して行かれることを願ってやみません。

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