年賀状【エッセイ】一二〇〇字
「宇宙船『地球号』は、どこに向かおうとしているのか」
20世紀は「戦争の世紀」とされたが、21世紀も変わらないのか。不幸な紛争は世界各地で続いているにしても、こんな戦争を目の当たりにすることになろうとは・・・。それもまだ進行形という現実に人間の愚かさに失望し、なにもできない無力さを感じている。日本は、過去の失敗を反省し、そんな悲劇を繰り返してはならないと誓ったはずだが、世界のきな臭い雰囲気に冷静さを欠き、身構えるその姿勢に、「負の連鎖」を感じざるをえない。
約10年続いた「悪夢」の政治が終わり、すこしはマシな総理の出現かと、かすかな期待を寄せたヒロシマ出身の岸田何某。「おいおい、変らないどころか、ヒデえことになりそうだ」と思うに至った、一年だった。
福島原発事故という未曽有な悲劇を起こしながらも「原発回帰」だと? 防衛費増額の財源に、その復興特別所得税を転用するだと? 増税だと? 防衛費を倍にし、世界第三位の軍事大国にするだと? それでも「専守防衛」だと言い張るのか? 安倍何某が「憲法改正! 戦後レジームからの脱却!」と喧伝していたときよりも質が悪い。そのうちに「専守防衛」が実態にそぐわないと、なし崩しに憲法を変える算段か? しかも、閣議決定で進めている。「聞く耳」どころか、国民に対して「三猿」状態だ。
ところで年賀状であるが、「エッセイ教室」で学び始めてから、その年、比較的に評価が高かった作品を印刷し、「こんなエッセイを書いたので、読んでね」と、送っている。送り付けられた受け手は、「ああ、またかよ」とゴミ箱にポイするかもしれないが、年賀はがきを使っているので、当選番号発表の日まではもつだろう。ま、年賀状は、「まだオレは生きているぜ。アナタ元気?」というのが役目と考えるので、我慢してもらっている。
ちなみに、ことし作成した年賀状は、「国葬(儀)」をテーマにした『奥行き』を選んだ。
「国葬」にしても、世論の多数が反対していたにもかかわらず、強制執行した。この年を象徴する出来事であったと思う。9月27日。国会議事堂前に、「アベ政治は許さない」とプリントしたTシャツを着こんで参加したが、来年は、「キシダ政治は許さない」に変えなければならないようだ。
こんな色気のないエッセイを好んで書いているわけではない。来年は、ほっこりするようなエッセイを賀状にできるような一年であって欲しいと、切に願っている。
この『奥行き』は、noteで『空砲』としてアップした作を改題し内容を一部修正して、教室の課題作として提出したものです。
※「天声人語」風に、「▼」を行替え位置に挿入したが、はがきのスペースの関係からであります。
(おまけ1)
ちなみに、原敬元首相の暗殺現場が東京駅丸の内南口の切符売り場付近で、その位置を記したドットと経緯を説明するプレートがあるのをご存知だろうか。
1921年11月4日。原は、政友会京都支部大会に出席するために東京駅へ行った際に、暗殺された。犯人は、大塚駅転轍手(レールの分岐器を操作)だった中岡艮一。19歳だった。現場はキップ売場であったので、走ってキップを買いに行く乗客も多くいたため、走ってくる犯人に気づかなかったようだ。原は、ほぼ即死だった。
犯人は、右翼団体との関係も噂されたが、不明なまま投獄。殺人罪で無期懲役の判決を受けたにもかかわらず、恩赦により1934年に刑期途中の13年で出獄している。
あと一か所、戦前の元首相の遭難現場がある。濱口雄幸である。駅構内中央通りから新幹線への改札へ登る階段手前。やはり、その位置を示すドットとプレートが掲示されている。1930年11月14日に銃撃され、その翌年にケガがもとで亡くなっている。
(おまけ2)
Noteから、「2022年の記録」として、投稿記事の数値を集計したメールがありました。
「01 よく読まれた記事」のベスト3、「02 創作の記録」として、投稿数・スキ数など。そして、「よく読んだ(読んでいただいた)クリエイター」のベスト3がありました。
このダントツのお方、どなたでしょう。
「やっぱし!」って感じ。(笑
アルプ・スナフキンさん、あ、いやスナさん、宮さん、そして元お花さん、ありがとうございました。4位以降が出ていないのが、4位は、みなさん、です。みなさん、ありがとうございました。(笑
来年もよろしくお願いいたします! 佳いお年をお迎えください!
画像:
https://4travel.jp/dm_shisetsu/11557449/pict?page=3#contents_top
「4travel.jp」
https://zatsuneta.com/archives/004884.html
「雑学ネタ帳」
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