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再生【エッセイ】六〇〇字(その前書き一二〇〇字)

あけましておめでとうございます
ことしもよろしくおねがいいたします
6年目に入りました

 TOP画像は、今年の年賀状。これまでと変わらず、自作エッセイを裏面にプリント。まことに自分勝手な、賀状であります。受取人さまが読まないことは千も万も承知。それでも、おひとり様でもお目通しいただけるように、との淡い期待を抱いているのであります。さらに、あろうことか「note」の私のアカウントへの誘導を図ろうとしているのであります。
 ただ、今年はこれまでと違う点があります。TOP画像と下の画像を比較するとわかりますよね。そうです、「▼」がありません。「▼」は、「天声人語」などの新聞コラムで使われています。改行後の「一字アケ」を意味しています。

<因みに、「▼」を使っているのは、他に「筆洗」(東京)「春秋」(日経)「産経抄」(産経)。「余禄」(毎日)は「▲」、「編集手帳」(讀賣)は「◆」、となっています。六紙のコラム全てで改行をマークで表現しています>

2017年の年賀状

 実は、私のエッセイの師匠である花井講師(朝日新聞社出身)は、この▼マークが大嫌いなのであります。新聞コラムの質を疑っております(これだけではない。のですが(おまけ)高校生の発言で、その一例を)。原稿用紙のルールを守るべきと、主張していらっしゃいます。つまり、「▼を使うのではなく、改行で一字空けにすべき」とおっしゃるのだ(ついでに言えば、縦書きで算用数字を使うな! とも)。
 「天声人語」の場合、決められた文字数は、606字。(35行×18文字)― 題字(通称:ワッペン)部分(4文字×6行)。ワッペン部分が抜けた変形の原稿用紙とし、1マスも空けることなく、最後まで606字で埋める、ということになります。これを毎日執筆するとなると、プロでもさすがに厳しい。しかし、師匠は許さない。その厳しさを要求している。
 私も年賀状で「▼」を使っている。わけがある。ハガキの裏面にプリントする元原稿は、教室に提出した作。なので、20文字×20行の400字詰め。多くは1枚半、600字(正確にはタイトル行と氏名行があるので、560字)。600字をハガキサイズに収めるとなると、1行28文字位にしないと全体のバランスがよろしくない。そのスペースに元原稿を流し込むと、改行のアキが行の途中にきてしまう。そこで、仕方なく、「▼」を入れているのです。
 しかし今回の原稿は、書き下ろし。28字×19行の原稿用紙を作り執筆したものなのです。よって、師匠がお嫌いな「▼」を入れずに済んだというわけであります。
 かようにして書き上げたのが、今回の原稿。内容は、枯木竜吟こぼくりょうぎん。衰えたものが勢いを取り戻したり、老人や病人などが生命力を回復したりことのたとえとして言われるようですが、昨年正月の1か月の入院を経験すると、まさにその心情。したがって、タイトルはこれしかない。『再生』。
             ※
 昨年の今日は、能登の大地震。慶応大学病院のHCUのベッドに臥しながら揺れを感じた。続いて、同じ生年月日の八代亜紀の訃報。二〇〇をゆうに超える脈拍数を表示するモニターとにらめっこしながら、「次は、ワタクシか」と、覚悟する。
 世間がクリスマスで賑やかな一昨年末。ガンマ何某が、一四〇〇もあることが判明。二十六日に緊急入院、二十八日に手術。毎日の血液検査の数値に一喜一憂しながら、医師陣のおかげで徐々に快方に。学生時代からの親友と、エッセイ教室の仲間、姪にLINEで励まされ、一か月後に退院。十キロ減っていた。
 禁酒と脂質制限のめいが課され外食はできない。仕方なく自炊するも思いのほか順調。一日一〇〇グラムペースで増え続け、ベストを二キロオーバー。逆に減量すべく、かつ筋力をつけるために、毎日ジムに通っている。タンパク質の摂取も心がけており、萎んだ体に筋肉が詰まり、ようやく張りが出てきた。
 現在、人生一番の健康と思えるほどに、体質が改善されている。いかに酒・煙草が、体を傷つけるかを思い知った。とは言いながら、酒の復活だけは、と夢見ている。きっとその時は、上品に味わえるような酒呑みになっているだろう(たぶん 笑)。
 そして、「ぬるめの御燗と炙ったイカ」だな、やはり。

(ふろく)
天声人語の文章は本当に上手なの?

投稿者ID:非表示さん
2014/9/25 22:00

(質問)
高校生です 。私は作文が得意ではないので、文章の書き方の 本(丸谷才一さん、三島由紀夫さん、谷崎潤一郎 さん、高校生のための〜など)を読みました。おお〜なるほど〜って感じだったのですが、これら の本の後に天声人語を読んだら、駄文の例にのっ ていた文章と似ていました。 難しい言葉を使って文章を飾り立てたり、比喩を 多く使うようなところが、ちょっとモヤモヤしま す。

中学生の時から、両親や先生に天声人語を読みな さい、あれは素晴らしい文だから。と言われてき ました。 スクラップしたり、書き写したりする人もいます 。

ですが、書き方の本を読めば読むほど、天声人語 がいまいちに見えてきます……。 新聞を長く書いてきた人の文章なんですよね。 私は作文の初心者だからこんな風に考えてしまうのでしょうか。 作文が得意な方、天声人語をよく読む方、どうな んでしょうか。 意見を聞かせてください。 (上にあげた書き方を読んだことがある方だとも っと嬉しいです!)


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