DAIGO SAUNAの宿泊客ターゲットについて考えてみた
2023年9月にグランドオープンしたDAIGO SAUNA。サウナという名前が先行しがちではありますが、本来は宿泊施設!そのことをアピールするため「大谷石づくりの蔵サウナと一棟貸し古民家宿」というサブタイトルを急遽設定。
ようやく宿泊施設としてAirbnbに掲載しましたが、なぜか大きな違和感を感じています。建物や敷地の機能や優位性を示す項目があるものの、その場所(地域)での体験価値を伝えることが難しい。加えて似たような機能やサービスを提供しているところに揃えて料金を設定する羽目になり、掲載した途端に急にコモディティ化されたような残念感です。
ということで、どういうターゲットにどういうサービスを提供していくかようやく本格的に考えてみました。
(ちょっと遅かったけどここからがスタート!)
DAIGO SAUNAのコンセプト
DAIGO SAUNAを取り組むうえで一番の目的は
東京(北千住)と大子町を行ったり来たりする生活をして行く中で
「人生(暮らし)を充実させる」
ということ。この二地域居住を家族でチャレンジしているという軸だけはぶらさないようにしています。
それを実現させるために、3つの機能を持たせています。
DAIGO SAUNAの3つの機能
交流拠点(まちづくり・暮らしの成長)
サウナイベント開催(リトリート体験の追求・収益)
一棟貸しの宿泊施設(大子町での体験を創出・収益)
交流拠点とはまさにこれから取り掛かろうとしている大子町のまちづくりに向けて、地域内外の人たちが交流して新しい価値を生み出していく機運を高めること。地域外の人には大子町のことを知ってもらい、地域内の人には大子町のポテンシャルの高さを再認識してもらうことで大子町が盛り上がることを期待しています。大子町が盛り上がることで僕たち自身の大子町での暮らしも充実できると確信しています。
サウナイベント開催では「リトリートに特化した体験を追求する」ことを目的にしています。東京と大子町を行き来する中で、やはり田舎で過ごしてみると時の流れが緩やかになり心も落ち着くと実感したことと、大谷石の蔵のサウナでととのう!十分すぎるくらいにリトリートができます。
さらにこのサウナならではの相性の良いコラボイベントも開催していきます。季節ごとの食やお酒を楽しんだり、ウィスキングやヨガなども組み合わせることでここだけのリトリート体験が出来るはず。先日はアーユルヴェーダの体験合宿の受入れをしました。
一棟貸しの宿泊施設では、大子町ならではの魅力を詰め込んだ宿泊体験(ツアーなど)を提供し大子町での食や観光、リトリートなど思う存分満喫してもらいます。DAIGO SAUNAがある中心市街地はかつて栄えたレトロな雰囲気が残る商店街があり、いくつかの店舗がリノベーションされお洒落なカフェや飲食店になっています。車で15〜20分ほど走れば木造校舎をリノベーションした複合施設やアウトドアスポット、滝や寺社仏閣などの観光スポットが点在しています。禅宗(曹洞宗)の寺院では坐禅体験ができたり、滝行ができる場所があり、サウナイベントの開催で追求したリトリートにさらに特化した宿泊ツアーも企画しています。
このうち ” 一棟貸しの宿泊施設 ” でのサービス提供は、収益性も高く、二地域居住を持続させ自分たちの人生を豊かにするために必要不可欠な要素です。なのでしっかり宿泊客を見極めて、付加価値のあるサービスを提供していけるように試行錯誤をつらつらと書いてみます。
宿泊客として狙うべきターゲットは
宿泊客のターゲットを絞る前に、現状の大子町とDAIGO SAUNAについて簡単に整理してみます。
人口減が進む過疎地であるため著しい人材不足
若者やシニアの移住者が徐々に増えて少しずつ町が盛り上がってきている
観光資源や農業を始めとする食文化が魅力的
土日は観光客で賑わっていてランチをするのも困難だが、平日は比較的閑散としている(平日と週末の需要のギャップが激しい)
観光地として隠れ人気のエリアではあるが、観光客の宿泊割合が圧倒的に少ない
町民のシビックプライドが高く、町を守っていこうとする意思が感じられる 一方で新しい人や取組みに対して受容性が高い
DAIGO SAUNAは自宅でもありという点を前提に置くと、良心的でかつ紳士的な利用者に使ってもらいたい フェアな宿泊サービスの取引をしたい
普段は東京に滞在しているため、基本的には無人で運営している状況
という点を踏まえた上で、どのようなターゲットを想定しどのようなサービスを提供するかを考えていく必要があります。
インバウンド観光客
DAIGO SAUNAは大谷石の蔵のプライベートサウナがある日本建築らしい平屋建ての古民家宿。敷地の向こう側には紅葉スポットとして有名な永源寺(もみじ寺)が見晴らせる最高のロケーション。外国人が好きそうな条件が揃っています。特に大谷石の蔵とロゴを記した暖簾のデザインがすごく雰囲気が良いのでその点で優位性があると考えています。
また、比較的連泊をすることが多いので清掃や管理コストが軽くなるという点で人材不足の大子町にとっては◎。
さらに平日・土日の需要のばらつきがほとんど関係ないので、平日も稼働できることを考えるとその点も◎という評価になりそう。
ただ、現状では宿泊施設案内の英語対応する準備ができていないことと、インバウンド観光客の中で属性を見極められていないという点を考えるともう少し慎重に検討してきたいというのが現状です。
都内の人脈の繋がりの中で、例えば外資系の企業などに向けたモニターツアーなどは早々に企画してみたいと思っています。
企業のワーケーション
次に検討したいのが福利厚生が充実している大手〜中堅企業のワーケーション、若しくはIT系ベンチャーなど事業企画やエンジニアなどの人材を多く抱えた企業向けのワーケーション施設として提供することを検討しています。12月に茨城県のワーケーション促進事業のモニターツアーで、日本航空(JAL)の社員の方々をDAIGO SAUNAで受入れする予定です。大企業では福利厚生が充実しており、有給休暇を活用したワーケーションを推進していたりします。
IT系ベンチャー企業はリモートワークがしやすく、比較的働き方が自由なこともあり旅行と仕事を組み合わせたワーケーションも普及しています。完全リモートの企業では、オフサイトミーティングなどの場所として宿泊を伴ったサービスの提供もできると考えています。
こちらは平日の稼働という点で◎。相手方が法人格であるため安心して貸出しできるという点でも◎という評価です。レクリエーションも組み合わせたパッケージを用意できれば連泊という可能性もありそうです。
経営者やコミュニティ向けの合宿
最後は”合宿”です。合宿といっても部活やサークル活動のようなものではなく、経営者向けのものやオンラインサロンなどのコミュニティのオフ会のようなもを想定しています。
大子町では滝行や坐禅ができる寺院があり、サウナと組み合わせたリトリートに特化したツアーも行うことができます。
特に経営者は「日常から離れた場所で会社についてじっくり思慮したい」というニーズがすごく多い!(と聞いています)
サウナでととのって、滝行で穢れを落とし、坐禅で自分自身と向き合う。このパッケージの実現に向けて各方面調整しております。
その他にもオンラインサロンや趣味で繋がっているコミュニティの合宿の場として提供できそうかなと。8〜10人程度が入れるプライベートサウナなので、日常のサウナと違ってサウナ室でコミュニケーションも取れるし、意外とそういう場で面白い企画やアイデアが浮かんだりするものだと思っています。このプランでは平日も土日の稼働も想定できて、リトリート特化やサウナを通じたコミュニティ醸成など目的が明確になるほど高単価が見込めそう。
まずはパッケージをつくって実行に移せるように企画を急いでいます。(多分旅行業が必要になりそうなので、その辺りの座組も同時進行で進めていきます)
ということで、宿泊客のターゲットについて考えていることをざっとまとめてみました。