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今こそ地方創生のチャンス

コロナ禍でテレワークが広がり、東京の求心力は低下しています。総務省によると都内は転入者が転出者を上回る転入超過が2021年に5433人と前年の1/6近くに縮小しました。男性は1344人の転出超過、女性は6777人の転入超過です。女性の流入先は首都圏が目立ちます。転入超過数が多かったのは神奈川の1.7万人、埼玉の1.4万人、千葉の8400人で、転出超過は広島、福島の3500人です。
一般に都市部は地方に比べ就労環境が整っています。総じて賃金水準も高く、求人も多いです。
最新の20年の国勢調査を見ると、特に大都市で人口に占める女性の割合が10年前に比べ高まっています。上昇幅が大きいのは横浜市、さいたま市、川崎市です。 
 
国連によると、日本の人口に占める都市住民の比率は、1950年は53%だったのが2020年には92%に上昇しました。アメリカの83%、ドイツの78%を上回り、主要先進国で唯一90%台です。2050年には95%に高まる見通しです。
 
総務省が2022年1月末に公表した2021年の『住民基本台帳人口移動報告』から都道府県別に30〜40代の転入超過数を見てみると、都道府県の7割が転入超過となり、コロナ禍前の2019年の3倍に増加しました。山形、静岡、和歌山、山口、大分の5県は初めての転入超過、最も好転させたのは茨城県(+0.48)です。一方東京都は0.11%の転入超過から0.77%の転出超過となり、全国で最も減少しました。コロナ禍でテレワークの増加があり、通勤時間が気にならない人が増えてきています。 
 
コロナは多くの死者を出した災害ですが、テレワークが普及したという意味では非常に社会に貢献したと言える可能性があります。特に『通勤=痛勤』が前提だった日本の社会でテレワークが浸透し、東京一極集中が反転したというのは事実だと思います。
通信技術の発達により人々はオフィスにいなくても仕事ができるようになりました。世界中では朝サーフィンをやってから、自分の仕事をリゾートホテルでスマホでする、ということも可能になっています。ワーケーションという言葉もできました。
 
地方創生は歴代の日本政権が掲げてきた課題ではありますが実現しておらず、むしろ格差が開いているというのが実情です。地方では若者人口が減り、インフラが老朽化し、自治体が体をなすのが難しくなってきています。今後は日本全体の人口も減少する見込みです。日本全国において適切なインフラを維持することは、今の日本の財政、人口等を考えた場合に適切ではないのかもしれません。
人は土地に愛着を持っており、簡単にその土地を離れることが難しいのは重々理解しております。特に高齢者の方にその傾向が強いです。利便性はそこまで求めないが、自分が生まれ育ってきた土地は離れたくないという話はよく聞きます。 
 
私見ですが、今後の地方創生を考える場合に、どの地域を活かし、どの地域を諦めるのかという『選択と集中』が必要になると思います。スマートシティ・スモールシティを目指し、有効かつ効率的な土地活用を考える必要があるのではないでしょうか。全てをやるのではなく集中的にやり、その土地については最先端を導入していくと周辺にも波及効果が生まれ、地方経済も回復するのではないでしょうか?
 
コロナでテレワークが普及した今こそ、地方創生のチャンスだと思います。目指すべき理想は持つべきですが、現実、実現可能性を語るのも政権、政治家の仕事だと思います。多分いないと思いますが今年の夏の参議院選で、上記のことを語る候補者が出てきたら、私はその候補者を応援したいと思います。今年、数年先の話ではなく、長期的な目線で物事を語る政治家が日本にも出てほしいものです。 


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