施術ができる手をつくること
臨床に出た自分の前に立ちはだかったのは
圧倒的に硬い首肩背中、そして腰でした
先輩から教わること
臨床現場初日は、挨拶に始まり、挨拶に終わった
ここでは、患者さんの名前と治療を行う部位を覚える
接骨院のカルテに書かれている情報も字が綺麗な先輩だと
本当に助かる。。。
なぜか?
字が読みやすいからだ
後に、この読みにくい字を読むという技術は
整形外科クリニックで働く際に役に立つことになるとは
当時思わなかった
手書きが主流な時代だからこそ得た経験とも言える
現場では現代のような物理療法機器ではなく
干渉波、低周波、ホットパック、牽引、渦流浴
超音波があり、まさに王道といったところ
それぞれの接骨でやり方も違うのは当然であり
治療方針も考え方により変化する
物理療法の他に、後療法である手技や施術がある
世間的な認知はマッサージでひとくくりに
されがちだが、これにも歴とした名前が存在する
「母指揉捏」がはじめに与えられた課題
前腕回外位にて、肘関節から手関節にかけて
母指で筋肉をリズミカルに圧迫していく
このリズミカルに行うことが実は難しい
なぜかといえば、筋肉の走行は肘から手首に
かけて細くなってゆくので、肘付近と手首では
かけていく圧を変えなければならない
これが臨床に出たての人間にはとても難しく感じる
もしかすると簡単にできる人もいたかもしれないが
同期は皆、苦戦していたし、共に練習をして
上手くなっていこうと誓ったものだ
なぜ臨床現場でこれほどギャップを感じたのか?
これにも色々な理由がありそうで
当時の学生は通学しながら接骨院で研修をする人
接骨院ではなくアルバイトをする人
会社に勤めながら週末だけ接骨院で研修する人
当時はざっくりとこの3つくらいに分かれていた
自分は学生時代はアルバイトをしていたので
早朝の品出しのアルバイトはとても給料がよく
生活するには助かった
しかも、イベントやクリスマス、正月はさらに
バイト代も上がるという嬉しい状態だった
もちろん、接骨院での研修を選ばずに
社会経験を選んだんです
それは今でもよかったと思っています
接骨院で研修した人
今日が初めてな人では経験に差が出ます
みている量も違ってきますから当然です
しかし後発組でも関係なく臨床の難しさや楽しさを
感じていくことはできるので、やるしかありません
というわけで、前腕の合格をもらえるまでに
ひたすら練習を繰り返す、これが日課
そうすると、自分の前腕がパンパンになる
そして同期と互いに練習を行うのでそれが
ほんの少しリカバリーになるので癒しの時間です
そこで少し緩んでまた固くなっていくことを繰り返す
そうしていくうちに親指での押し方が身についてくる
グッと押して揺らすとか、揺らしながら手首まで
降りてくることができてくるわけです
先輩の教えの中で重要なのは「圧」と「方向」
押しなれた人だからこそわかる感覚に合格するまで
練習は続きました
実際に、合格がもらえて施術に入ると緊張して
手から汗が出たのを今でも思い出します
柔道整復師としては後療法だけでなく元々は
外傷のプロフェッショナルですから
骨折、脱臼を整復するための技術も磨いていきます
外傷の整復が命!みたいに熱狂している時代があった
けれど今回は後療法メインのエピソードになります
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