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原子力規制委が指針を作り、原子力防災会議が「了承」する自治体の「緊急時対応」の実効性は?

原子力災害対策指針の見直し論点を、原子力規制委員長や原子力防災会議議長に送ったと発信したら、国会の超党派議員連盟「原発ゼロ・再エネ100の会」に、それを共有する機会をいただけた。渡りに船で乗った。その資料を共有する。

さらに上記19枚のうち主なものを貼り付ける。

2014年に原子力規制委員会は、福島第一原発の教訓として「SPPEDI」は使わない、原子力災害対策指針ではモニタリングポストの実測値で避難等を判断すると決めた。
しかし、1月1日に能登半島地震では、避難や屋内退避の判断が必要な志賀原発30キロ圏内のモニタリングポストの実測値が(揺れが激しかった地域に集中して)、原子力規制委員会に届かなかった。
1月10日の会見ではこの点について複数記者に問われて、山中委員長は指針の「見直し」に言及。
1月13日には女川原発周辺自治体からも問題提起があった。
1月17日の原子力規制委員会で4人の委員からはモニタリングポスト他、問題意識が出されたが、山中委員長は「大きく変更する必要がない」と矮小化してまとめた。いずれにせよ、論点整理を2月の半ばぐらいまで規制庁が行い、原子力規制委員会がそこから「議論を開始」することになった(既報)。

この前後に筆者は吉田千亜さんと、見直しの根拠を共有しようと呼びかけ、論点を原子力規制委員長や原子力防災会議に送った。9点ほどあり、それは以下の通り。

原子力防災会議では、いつも判で押したように、原子力規制委員長が「原子力災害対策指針に沿った具体的かつ合理的なものである」と発言。防衛大臣などが「関係機関と緊密に連携し、住民避難の支援、緊急物資輸送、簡易除染など必要な各種支援を実施いたします」と発言。内閣総理大臣が「地域の緊急時対応を了承」して終わる。
↓わずか議事録5ページ分しか議論しない。それが「深層防護」の「第5層」の実態だ。
しかし、能登半島の状況をみれば、見直しても実効性のある避難計画は不可能で、そうなると、現在の指針以上に「避難しなくてよい」方向へ向かう懸念が強いというのが、ほとんどの参加者が感じたことだ。

以下は、現在の原子力災害対策指針で自然災害や複合災害に関する記述を探してもこの程度しかないという参考資料。

今日、提起した内容は以上の通り。原子力規制委員会が「原子力災害対策指針」を作り、それに沿って自治体が「緊急時対応」を作成する(丸投げされる)。

それを、原子力防災会議(議長:内閣総理大臣議長)が5ページにわたる審議だけして、「了承」する。それで命が守れるのか、というお寒い状況であることを、一人でも多くの人に知らせていくことからしか、始まらない。

【タイトル画像】筆者作成資料より。

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