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GX束ね法案に関する各政党への公開アンケートを送付

1月23日から始まる通常国会では、GX関係の法案は「束ね法案」として提出される。一部は既に昨年8月時点で、経産省と原子力規制庁の間ですり合わせられ、「来年の常会に提出予定のエネ関係の「束ね法」(経産主講義)により、現在、炉規制法に規定されている発電炉の運転期間制限を、電気事業法に移管」(原子力規制庁の経緯説明P3)することが既定路線だ。その他の法案についても、ぼちぼち報道でリークされている。

内閣が提出する「束ね法案」は、その背景情報と立法事実の検証が不十分なまま、ズサンな国会審議に終始してしまいがちだ。内閣にとってはそれが狙いかもしれないが、国会側では束ねず与野党にきちんと審議してほしい。

そのことは国会側に働きかけるしかない。通常の「報道」というアクションだけでは実現できない。まして取材活動を再開したばかりのフリーランスのジャーナリストには。何ができるかを考え、公開質問を思いついた。即実行。衆参両院のホームページで会派(衆議院 参議院)を調べ、各政党のトップに宛てて「GX束ね法案に関する各政党への公開アンケート」を送付した。

ここでは、送付した内容をそのままをコピペさせてもらう。

(2023年1月31日加筆)【お詫び】
「れいわ新選組」の漢字が間違っていました。お詫びして訂正いたします

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自由民主党 岸田文雄 総裁
立憲民主党 泉健太 代表
日本維新の会 馬場伸幸 代表
公明党 山口那津男 代表
国民民主党 玉木雄一郎 代表
日本共産党 志位和夫 委員長
れいわ新選組 山本太郎 代表
社会民主党 福島みずほ 党首
NHK党 立花孝志 党首

GX束ね法案に関する各政党への公開アンケート

岸田内閣が1月23日から始まる国会に提出するとされる「グリーントランスフォーメーション(GX)」に関する束ね法案について、各政党の見解を問う公開アンケートをさせていただきます。

岸田首相が指示したGX政策には、福島第一原発事故以降のどの政権も想定していなかった原発の新増設までが含まれており、なぜ政策を転換するのか、国民負担はどのようなものか、その根拠の検証と共に慎重な国会審議が必要であると考えるからです。

不躾で恐縮ですが、1月30日までに別紙回答用紙にて頂戴できれば幸いです。ご協力のほどよろしくお願い致します。

1. 政府は現在、GXに関係する複数の意見募集(以下、パブコメ)を実施中です。中には法案の骨子が含まれています。パブコメの終了前に、法案の内容を固めようとしていることは国民軽視だとお考えになりませんか。

ご回答(そう思う/思わない)自由記述(              )

2. 法案骨子を含むGXに関係するパブコメは、異なる行政組織によるものです【内閣官房GX実行推進室、経済産業省、外務省、財務省、環境省の「GX実現に向けた基本方針」、原子力委員会の「原子力利用に関する基本的考え方」、経済産業省の「今後の原子量政策の方向性と行動指針(案)」、原子力規制委員会の「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要案」】。それぞれに対応する衆参両院の各関係委員会で、政策転換の根拠や立法事実について説明責任を果たさせる必要があるとお考えですか。

ご回答(はい/いいえ)自由記述(               )

3. GXに関する法案の提出は、なぜ原子力政策を転換するのか、国民負担はどのようなものになるかの検証を、国会で行った後が望ましいとお考えですか。

ご回答(はい/いいえ)自由記述(               )

4. GX束ね法案に含まれるとされる原子力基本法は「原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に」行うとしています。原子力政策に関する法案は、束ねて一つの委員会で審議を終わらせるのではなく、個々の委員会で丁寧な法案審議を行い、国民の理解と合意を得られるように努めるべきだとお考えですか。

ご回答(はい/いいえ)自由記述(              )

5. GX束ね法案には、原子力規制委員会が規制を担う原子炉等規制法と、原子力を推進する経済産業省が所管する電気事業法が含まれます。規制と推進の分離は法案審議においても大切だとお考えですか。

ご回答(はい/いいえ)自由記述(              )

6. 目的も所管組織も役割も異なる複数の法律を束ねる法案は、憲法で定められた「国政に関する調査」権を内閣が奪うリスクをはらみ、個々の委員会に所属する国会議員の質問機会を奪い、異なる政策を国会でぶつけて擦り合わせる政党の役割をも放棄させるものではないでしょうか。さらには国会審議を反映した内閣提出法案や、議員立法による対案を検討する機会をも奪うのではないでしょうか。

ご回答(そう思う/思わない)自由記述(              )

質問は以上です。頂戴しました回答は(未回答も含め)、「地味な取材ノート」等の媒体で公開させていただきます。あらかじめご了承ください。別紙の回答用紙のご送付をどうぞよろしくお願いします。

           2022年1月18日
まさのあつこ
フリーランスジャーナリスト
著書『あなたの隣の放射能汚染ゴミ』(集英社新書)、『投票に行きたくなる国会の話』(ちくまプリマー新書)、『四大公害病』(中公新書)ほか

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アンケート回答はこちらをクリック(1月31日に掲載)

GX束ね法案に関する政党アンケート結果
 






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