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ユニバーサルデザインの強化書223 若者言葉の魅力とその背景——「とりま」「ワンチャン」に見る現代語彙の特徴
はじめに
近年、SNSや日常会話の中で、特に若者が頻繁に使用する独特な言葉が目立つようになってきました。「とりま」や「ワンチャン」といった言葉は、若者文化の象徴ともいえるものですが、これらの言葉にはどのような特徴があり、どんな背景があるのでしょうか。本コラムでは、若者言葉の中でもよく使用される10の例を挙げ、その意味と使われ方を解説します。最後に、それらに共通する特徴について考察します。
よく使われる若者言葉10選
1. とりま
「とりあえず、まあ」の略で、状況に関係なくまず行動を起こすことや、何かを決める前に一旦その場の対応を取る際に使われます。軽い判断を表す際に頻繁に使用されます。
例:「とりま、カフェ行こうか」
2. ワンチャン
「ワンチャンス」の略で、「もしかしたら」という可能性を示す表現です。成功や良い結果が起こるかもしれないという期待感を込めて使われます。
例:「明日の試験、ワンチャンいけるかも」
3. それな
「それはそうだよね」と同意を示す表現です。相手の発言に対して同感を示す時に使われますが、軽いニュアンスでの会話の流れを保つために使われることが多いです。
例:「この映画めっちゃおもしろい!」「それな」
4. あざっす
「ありがとうございます」の略です。感謝を表すが、非常にカジュアルで軽いトーンが特徴です。友達や同年代の間で頻繁に使われます。
例:「手伝ってくれてあざっす!」
5. メンブレ
「メンタルブレイク」の略で、精神的に疲れてしまうことや、感情が崩れてしまった状態を指します。友達同士の会話やSNSで自己表現として使われることが多いです。
例:「最近仕事忙しすぎて、マジでメンブレだわ」
6. エモい
「エモーショナル」の略で、感情が動かされる場面や、感傷的な気分に浸ることを意味します。美しい風景や音楽、思い出などに触れた際によく使われます。
例:「この曲めっちゃエモい!」
7. パリピ
「パーティーピープル」の略で、パーティーや遊びが好きな社交的な人を指します。派手なライフスタイルや、楽しむことを重視する若者に使われることが多いです。
例:「あの人、めっちゃパリピだよね」
8. おこ
「怒っている」の略で、感情が高まって怒っている状態を指します。冗談半分で使われることも多く、相手に対して直接的に怒りを示すよりも、軽い表現になります。
例:「勝手に飲み物取ったでしょ?おこだよ!」
9. ガチ
「本気」の意味で、真剣さや真実性を強調するために使われます。「冗談じゃないよ」という意味でも使われることが多いです。
例:「あの試合、ガチで頑張ったよ」
10. リア充
「リアル充実」の略で、実生活が充実している人や状況を指します。恋愛や友達関係が順調で、楽しんでいる様子に使われますが、逆に羨ましさや皮肉を込めて使うこともあります。
例:「週末は友達と旅行とかリア充すぎじゃん」
若者言葉に共通する特徴
若者言葉の多くは、日常生活で使われる普通の言葉を略したものや、外来語をカジュアルに取り入れたものが多いです。これらの言葉には以下のような特徴が見られます。
1. 簡略化とスピード感
若者言葉は、従来の表現を簡略化しており、短時間で伝えたいことを表現することができる点が特徴です。例えば「とりあえず、まあ」を「とりま」と短縮することで、言葉のテンポが速くなり、より軽快なコミュニケーションが可能になります。これは、SNSやチャットなどの短文でのやり取りが主流の中で生まれた要請かもしれません。
2. 親しみやすさとカジュアルさ
「ワンチャン」や「あざっす」といった言葉は、カジュアルな雰囲気を持ち、日常会話で使いやすいという特徴があります。若者は、友人同士の距離感を縮めたり、場を和ませたりするために、こうした軽い言葉を選びがちです。このような言葉遣いは、特にSNSやメッセージアプリ上でのやり取りにおいて、柔らかいコミュニケーションを生む手段として機能しています。
3. 感情表現の多様性
「エモい」や「メンブレ」といった言葉は、感情や精神状態を簡潔に表現するために作られた言葉です。現代の若者は、感情を素早くかつ的確に表現することに長けており、こうした言葉はその表現力の豊かさを反映しています。また、これらの言葉を使うことで、自己の感情を他者と共有することが容易になります。
4. アイデンティティの共有
若者言葉は、一種の文化的アイデンティティを形成する役割も担っています。特定のグループ内で使われる言葉は、そのグループのメンバー間での共通理解を促進し、外部の人々との区別を明確にします。例えば、「リア充」や「パリピ」は、あるライフスタイルや価値観に対する共感や批判を含む場合もあり、これらの言葉を使うことで自分の立場を示すことができるのです。
おわりに
若者言葉は、コミュニケーションの迅速化やカジュアル化、感情表現の多様性といった現代のコミュニケーション環境に適応した新しい表現手段です。それは単なる言葉の短縮や新語の創造にとどまらず、若者たちの文化やアイデンティティを反映し、仲間との絆を強めるツールとしても機能しています。これらの言葉を理解することは、若者の感性や価値観に近づく一歩でもあります。今後も、こうした言葉がどのように進化し、どのような役割を果たしていくのかを見守ることは、日本の言語文化を理解する上で重要です。
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