粛々と生きる
「粛々(しゅくしゅく)」という言葉があります。
「粛々」の意味は、「静かでおごそかなさま」です。
・つつしむ
・おごそか
・身をひきしめる
という意味を強調している言葉です。
・静かに物事をおこなう様子
・身を引き締めて厳しく
というニュアンスがあります。
「粛々と〜をする」というように使われます。
「粛々」と似た言葉で「淡々(たんたん)」という言葉がありますが、厳密に言うと意味が違います。
「淡々」の意味は、
「色・味・感じなどが、あっさりしているさま」
「態度・動作などにこだわらず、あっさりしている様子」
となります。
感情の起伏やこだわりが無く、心を込めていない感じがしますね。
「淡々」は「粛々」と同じように、「淡」という漢字を「々」という漢字によって重複させて強調しているわけです。
「淡々」は「粛々」と同じく、「静かなさま」を表していますが、「粛々」には「厳粛なさま」という意味があります。
そのため、重大な物事・計画などに対して「粛々」は使われます。「粛々」には、やはり厳しさというものを感じます。
この世界の危機的状況の中、わたし達が今どう生きるべきかを問われた時、
「粛々」と生きる、という言葉が相ふさわしい気がするのですが…。
「粛々」を邪魔するものは感情です。
自我や欲望です。
「粛々」や「淡々」を「我慢」という言葉に置き換えてしまうと、必ずそれに対する見返りが必要になってきます。
漢字は、ほんとに奥が深くて素晴らしい文化だと思います。見えないものを見事に表現しています。
同じ状況下でも、
・我慢してやっている人
・淡々とやっている人
・粛々とやっている人
心の中は全然違っているわけです。
どれが正しいとか言うことではなくて、どれが自分にとって心が楽かな、ということかも知れませんね。
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