才能を育てるために必要なこととは?
ある才能が花開き、華々しい栄光を手にしたことで世の中に知られる人でも、その陰となる姿は、意外と多くの人には知られることがありません。
今、マイケル・ジャクソンの自伝を読んでいて、そのようなことを感じました。
マイケルの音楽的な才能は既に多くの人が知っています。
しかし、ひとつ踏み込んで、彼の人生を紐といてみると、華々しい栄光の陰に、また別の人生が浮かび上がります。
元々彼は、製鉄工場に働く父親とデパートで働く母親の元に生まれました。
仕事の辛さを音楽で発散させることが両親の日課として行われていた家庭環境の中で、他の兄弟とともにマイケルは育ちました。
父親も自ら演奏家としてグループ活動を行い、演奏活動を収入源の一つとしていました。
音楽が当たり前にある家庭環境の中で、兄弟達が一緒になり家の中で演奏し合うことは自然なことだったのです。
最初にマイケルの音楽的な才能に気づいたのは母親でした。次第に父親は兄弟をアーティストグループとして育てていくことに生きがいを感じていきます。
決して裕福ではない収入源の中から、さまざまな楽器やマイクなどの音楽機材を購入することは、生活的に苦しい面もあり、母親とも言い争いを起こすような場面もあったようです。
周りの子供達が遊んでいるようなとき、マイケルたちは演奏の練習に明け暮れる日々が続きました。
また、心ない近所の子供達からやっかみで石を投げられることもありました。
マイケル自身は、子供心に、その光景を寂しく思わないわけではなかったようですが、舞台の上で演奏することや、最高の演奏をし、観客から喜んでもらえることの方が意味のあることだと思えたからこそ、練習を続けていけたようです。
父親も子供たちの才能を最大限に活かすための努力を怠りませんでした。
その後、マイケルは著名な音楽関係者の目に留まることとなります。
マイケルの人生を通して、人の才能について考えさせられました。
才能を開花させるには、まず本人自身が才能についてなんらかの自覚を持ち、楽しみながら努力が出来ること、そして、その才能を育むための協力者がいることが必要だと思いました。
別の見方をすれば、マイケルの父親がしたことは、親の一方的な行為であり、エゴとも言えるかもしれません。
しかし、結果的に、マイケルは世界のポップスターとして不動の地位を獲得したからこそ、父親の行為は尊いものとして受け入れられるのかもしれません。
人が持ちうる才能を開花させるということは、とても奥深いものであり、興味の尽きない分野でもあります。
さまざまな形で個人の能力を認め、活かされる社会になっていけば、個人の活躍の場が広がり、多くの人が生きやすいと思える社会になるのではないかと思いました。
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