統計学実践ワークブック 第3章例題解説
例1
身長と体重それぞれの変動係数は
$$
身長:
\frac{\sqrt{V[X]}}{E[X]}=\frac{5.7}{168.9}=0.034\\
体重:
\frac{\sqrt{V[X]}}{E[X]}=\frac{15.9}{63.6}=0.25
$$
よって、期待値に対する散らばりが大きいのは体重の方だと分かる。
例2
1時間あたりのA,B,Cさんの仕事量はそれぞれ$${\frac{1}{5},\frac{1}{3},\frac{1}{4}}$$なので、3人で分担した場合の1時間あたりの仕事量は
$$
\frac{1}{5}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}=\frac{12}{60}+\frac{20}{60}+\frac{15}{60}=\frac{47}{60}
$$
よって、3人分の仕事量を3人で分担して終えるのは$${3÷\frac{47}{60}=3.8(時間)}$$となる。
例題
問3.1
(1)変動係数は$${\frac{\sqrt{V[X]}}{E[X]}=\frac{12}{60}=0.2}$$である。
(2)餌を替える前と後で変動係数に変化はなかったとのことなので、
$$
\frac{\sqrt{V[X]}}{E[X]}=0.2\\
\sqrt{V[X]}=0.2×E[X]=0.2×65=13
$$
よって標準偏差は13kgとなる。
問3.2
(1)調和平均を用いる。
$$
\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}(1/x_i)=\frac{1}{2}(\frac{1}{8}+\frac{1}{12})=\frac{5}{48}
$$
この逆数が調和平均となるため、$${\frac{48}{5}}=9.6$$km/時間。
(2)加重平均を用いる。
$$
\sum_{i=1}^{n}w_ix_i=\frac{500}{500+700+800}×600+\frac{700}{500+700+800}×700+\frac{800}{500+700+800}×500=595
$$
よって加重平均は595円。
(3)積に対する平均のため幾何平均を用いる。
$$
(x_1×…×x_n)^\frac{1}{n}=(1.15×0.98×1.03×0.99)^\frac{1}{4}=1.03537…≒1.04
$$
問3.3
分散に関する特性値の性質については以下が成り立つ。
$$
V[aX+b]=a^2V[X]\\
V[X±Y]=V[X]+V[Y]±2Cov[X,Y]\\
XとYが独立のとき V[X±Y]=V[X]+V[Y]
$$
方法1のとき厚さXのパンをランダムに2枚、厚さYのハムを1枚選ぶので
$$
V[Z_1]=V[X]+V[X]+V[Y]=0.5^2+0.5^2+0.4^2=0.66
$$
方法2のとき同じ厚さXのパンを2枚に切り、厚さYのハムを1枚選ぶので
$$
V[Z_2]=V[2X+Y]=V[2X]+V[Y]=4V[X]+V[Y]=4×0.5^2+0.4^2=1.16
$$