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霜降

今日、10月23日は二十四節気における「霜降」。秋分から冬至までの期間のうち、3分の1が過ぎた日。

朝晩がかなり冷え込んでくる。夏から咲き続けていた芙蓉が、蕾のまま花が開かずに枯れていく。初秋の花である萩なども終わり。金木犀のオレンジ色の花びらが散って地面に絨毯を作る。

京都の高台寺の近くにある石塀小路で見た風景。家の庭に積もる金木犀の花びら。右奥にはホトトギスが咲いている。(2018年10月下旬、筆者撮影)

その一方で、葉が色づき始める。もみじは、この記事のトップ画像のように、日によく当たる箇所だけ赤くなる。また、南天や千両の実が赤くなってくる。

果物では、柿と林檎が美味しくなる季節。ロシア人の友人が「私の国では、柿を冷凍庫に入れて凍らせて食べるよ」と話していた。試してみたら、シャーベットのような食感。

魚では、秋鮭や秋刀魚の季節が終わり、その代わりに、天然物のハマチがスーパーの店頭でよく売られるようになる。冬まで捕獲されずに成長し続けたら、脂の乗った「寒ブリ」として食されるはずだったものだから、美味しいのは当然。

真サバも旬。先日、富山で水揚げされた新鮮な真サバを見つけたので、きずし(関西弁で「しめさば」のこと)にして食べたら、美味しかった。

カツオも美味しい季節。夏に仙台の辺りを泳いでいたカツオが、冬になる頃には鹿児島の辺りまで移動してくるらしい(情報源:テル鮮魚)。となると、ちょうど今頃、関西付近を泳いでいることになる。カツオのたたきが売っていたら、「買い」である。

和菓子では、小豆の旬なので、小豆をそのまま用いた菓子が美味しくなる。寛永堂の「大納言清澄」は、大粒の小豆を、表面を乾燥させてジャリジャリさせた寒天に包んだお菓子。霜が降りるようになる、この季節にぴったり。

栗の季節はそろそろ終わる。京都祇園にある和菓子屋さん「かぎ甚」のインスタグラムの今日の投稿には、「栗も晩生栗となり、そろそろ今年の栗の仕入れも終了が近づいてきました」と書いてあった。ちなみに「晩生」は「おくて」と読むらしい。旬に先駆けて出回るのが「早生(わせ)」、旬のど真ん中を「中手(なかて)」、旬が終わる頃を「晩生(おくて)」と呼ぶ。嘯月という、京都の知る人ぞ知る完全予約制の和菓子屋さんの店主曰く、栗は「早生は水っぽく、中手と晩生に大きな差はないものの、やはり旬は中手」だそう(出典:家庭画報.com)。



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