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sayuras 「揺れる」

sayuras が今までにリリースした五つの曲のうち、最も sayuras らしさを感じられる曲だと私が思っているのが「揺れる」という曲。

YouTubeアートトラックでフルで聞くことができる。

根岸孝旨さんのベースに三上ちさこさんの歌が乗る形でスタート。その歌詞は、最初から

息をする 意味が分からなく なった

sayuras 「揺れる」より

というドキッとさせられる言葉。西川進さんのクリアトーンのギターが加わってからは、

心を なくしてゆく 痛みなんて感じない 感じたくもない 心から笑えない 笑いたくもない

sayuras 「揺れる」より

と歌詞が続いていく。ここまで静かな曲調だったのが、突然、ギターもベースも音が消えて

こんな

sayuras 「揺れる」より

という言葉のシャウトから、平里修一さんのドラムを加わえた sayuras 楽器隊が作り出す浮遊感と混沌の渦の音世界をバックにしたサビが始まる。

と思いきや、

この闇が明ける日が来るの?

sayuras 「揺れる」より

というフレーズが終わると、静かな曲調に戻る。

静、動、静という展開で、この歌の世界観が固まり、sayuras楽器隊の抜群の演奏力による安定感の中で、ちさこさんがとつとつと語る様な歌が続いていく。

心が 動かない 動きたくもない

sayuras 「揺れる」より

というフレーズから、また

こんな

sayuras 「揺れる」より

という言葉のシャウトから、ノイジーな音世界のサビへ。

閉じこもり いがみ合って 生きて 生きて 生きて 生きて

sayuras 「揺れる」より

とちさこさんが歌い上げる裏で、根岸さんのベースラインがうねり跳ね上がる。

さらに、ちさこさんの声がファルセットに変化していくと同時に、西川さんのギターと平里さんのドラムがシューゲイザーに化けていく。

そこまで盛り上げたところで、突然、この曲の始まりと同じくベースと歌だけの音構成になり、

ゆるし方を忘れたならここに おいでよ 私たちがひとつだったころに

sayuras 「揺れる」より

というフレーズの後、ベースの音も不意に止まり、

かえろう

sayuras 「揺れる」より

との言葉で曲が終わる。


ソールドアウトになった前回のワンマンライブ(2024年4月13日@渋谷eggman)では、「揺れる」が本編の最後から二つ目で演奏された。その時の模様が少しだけ、ちさこさんのインスタアカウントにアップされている。

こちらは、静かなイントロから、突然、最初のサビに切り替わるところ。ちさこさんの歌の魅力が表れている箇所。

もう一つは、最初のサビの直後、突然、曲調が静かになった直後。sayuras楽器隊の演奏力の高さを感じられる箇所。


この「静」「動」「静」「動」「激動」「静」というドラマチックな展開、しかも、転換点が毎回突然という構成、そこに sayuras 4人それぞれの味が100%引き出された音。

これぞ、sayuras だと私は思う。

11月1日@渋谷WWWでのライブ(イープラス / ローチケ)で、私が一番楽しみにしている曲が、この「揺れる」です。

sayuras 渋谷WWW ワンマンライブまであと30日

注:トップの画像は、リアルサウンドの sayuras インタビュー記事から拝借しました。撮影は山川哲矢さん。

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