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大寒

今日、1月20日は二十四節気における「大寒」。これからの二週間ほどが、一年で最も寒い季節になる。

実際、来週大寒波が日本を襲うようで、天気予報を見ると、京都は25日水曜日の最高気温が0度と予想されている。雪も降るようだ。

記事のトップにあげた写真は、2019年1月27日に撮影した、京都大原にある実光院の庭。未明から雪が降ったので、シャッターチャンス、と思い、早起きして行ってきた。寒い中、侘助椿が咲いていた。

実光院に咲いていた侘助椿(筆者撮影、2019年1月27日)

椿は、この一番寒い時期から春にかけて咲き続ける。侘び茶の世界では、咲く直前の蕾の椿が美しいとされる。この侘助椿は、花びらが開き切ることがない椿の品種で、それゆえに、茶人に愛されたらしい。

さて、一年で一番寒いということは、逆にいうと、冬が旬の食べ物が一番美味しい季節ということでもある。「一汁一菜」という提案で脚光を浴びた土井善晴さんは「年が明けて、大寒になるとほうれん草や小松菜のおいしさは本物になります」と著書『一汁一菜でよいという提案』に記している。また、冷たい水に耐えるために脂肪をたっぷりつけたブリも一番美味しい季節と言えるだろう。

いわゆる「京野菜」には、冬が旬のものが多い。九条ねぎ、聖護院大根、聖護院かぶら、壬生菜(みぶな)、畑菜。

で、季節としての「大寒」の最後の日、今年は2月3日が節分。その翌日が「立春」。多くの人にとって「立春」には馴染みがなくても、節分は、豆まきというキャッチーなイベントがあるおかげで、よく知られている。でも、そもそも節分は「立春」の1日前、という意味なので、本末転倒ではある。大晦日を知っているのに、元旦は知らない、みたいな。

で、旧暦では、この「立春」の日から一番近い新月の日が、元旦になる。今年は明後日、1月22日。中国人が大挙して故郷へ帰る日。欧米でも Chinese New Year として知られる。

常々思うのだけれども、正月飾りの季節感を大事にするために、日本も旧暦で正月を祝うべきなのではないかと思うのだが、その話は、次回の「立春」の時に。

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