1投稿を組み立てよう 〜読まれやすく、表示されやすい「ツイートが届く」工夫を〜
中小企業のTwitterはあまり拡散性がないと言われる。要因は各社で様々な理由があるが、しかしアカウントを開設しているからには企業としてアピールしたいことはあるはずだ。
タグを使ってもキャンペーンを駆使しても、なかなか自社のツイートが読まれにくい、最も読んでほしいツイートからのリンク先へ行ってくれない…
という悩みは多い。
しかもTwitterや自社サイトのアクセスデータやアナリティクスを見れば数値としてあからさまに出てくる。
ネタもののツイートばかりする、というのも会社側がOKなのであればアリな戦略かも知れない。長期的に段階を踏んで、最終的な目的のPRが成り立てばそれはそれで成功例と言える。
しかしそれでもメーカーであれば取り扱いの製品を紹介していてこそであるし、だとすればその製品紹介も読まれてこそだろう。
「伝えたい情報の投稿」は整える
Twitterという特殊なユーザー主体のSNSであり、タイムラインとして流れていってしまう中で、自社の投稿をいかに目に留めてもらうかは重要だ。
単純にネタ投稿をして瞬間的に目立つことは何かしらできるかも知れない。
(※参照記事:『企業アカウントの「ネタツイって意味あるの?」への回答』)
ただし、ではその次は?
というと、自社が本来伝えたいこと、知ってもらいたい事を知りたい側にツイート投稿できていなければならない。
企業の投稿は大きく分類して3種類。
A:製品の情報(プレスリリース情報など)
B:ネタ(日常の投稿なども含む)
C:交流(返信)
例) 企業の1投稿を分析してみよう
Twitterは既にさまざまな企業がアカウントを所有し、日々ツイートしている。データ分析による改善や日々の反応、担当者本人の試行錯誤や熟練度によって磨かれてきている。
それをひたすら観察するだけでも気づく事はできるだろう。
例として自社投稿をひとつ。このnoteに誘導するための投稿。
つまり前述の3種類のうちの一つ、Aのリリース情報ツイート。
・一行目は ”目に止めてもらいやすい用語” を並べる
「インタビュー」目立ちやすい【】カッコで囲み、
「アイラップ」という人気企業アカウント、
「企業Twitter」と一部の人が手をとめやすい言葉
・改行、一行あけて内容詳細
通常のツイートではあまり改行を多用しないなど、普段との変化も持たせる
補足も入れておく
「第2弾」=このインタビューは第2弾なので第1弾、そして今後も続く可能性を表す。
「前後編です」=後編もいずれ公開されると知らせておく
・関連タグを1〜3入れておく
ただしこれはツイートによっては入れないほうが良い場合も多い。
※なお無関係のハッシュタグを含むのはTwitterで禁止されています
・読ませたい記事のリンク先と画像
この場合はリンクURLを入れるとリンク先トップ画像が現れるとわかっているので画像は入れない(リンク先によって変わる)
※この手法は一例であって手本ではない。各社で効果的な見せ方はそれぞれ
写真、画像はとても重要
1投稿に区切りが出来てしまうTwitterだからこそ、写真を付けておくことは重要になってくる。
写真は言葉より雄弁で、文字よりもアカウントが言いたい事を語ってくれる事も多い。
※しかし「読ませること」を意図したツイートの場合は写真を付けない、という方法もある。
※写真内の情報は多いので公開不可な情報や位置情報に注意する。
→参照:【企業公式担当者向け】その写真投稿は大丈夫?自己防衛のためにもセルフチェックを。note
削りに削る方が届きやすいことも…
1投稿に情報を載せたい、というのは誰しも思うところではある。
確実にこれは、という「情報の1投稿」も時に重要だが、もちろんそればかりでは届けたい相手にまでは届かない事も多い。
いっそ文字数を削りに削った投稿もインパクトを与え、もっとも言いたい事、伝えたい事だけを描いてしまうのも手段のひとつだ。
いろいろ試して自社にとってベストな投稿を探っていくのも手だろう。
一言投稿の例:
投稿文章の本体は「あのヒゲ。」というひと言ツイート。
社名がCM BAR表記なので呼びづらさから”ヒゲさん”と呼ばれることもあったため、自社ロゴのヒゲ、キャラクターの「ミスターフィギュア」のグッズ写真を付けた。
タグの「#裏で呼ばれているあだ名は」はその時のトレンドワードに乗ったもの。つまり大喜利ネタだ。
(※なおハッシュタグは診断メーカーの人気からトレンドになったもの)
リツイート等は少ないが、インプレッション等で広く表示されたことがわかる。
以前も当noteで述べたように、ネタとしての投稿はそれをきっかけにフォローやサイト誘導など、認知率を上げに行くための投稿だ。
参照:
→「企業のネタツイって意味あるの?」への回答
スピード感、タイミング、リスペクトを大切にすることで、
届きやすくなる
また、特定のコンテンツのファン層に呼びかけることで強い認知を狙う方法もある。この場合はタイミングと、文章内容に気を配らねばならない。
これはTwitterなどSNS上で話題性の高いゲームコンテンツとコラボレーションした他社製品が発売された当日の投稿。
この投稿は同作品のファンが社内に複数おり、同ゲーム経験者でもある筆者と共に相談して自社製品との組み合わせや投稿文章、用語にも齟齬がないか慎重に確認してツイートしたもの。
ファンが多いコンテンツに企業が触れるとき、最も気をつけたいのは
ファンが大切にしている気持ちやその雰囲気、世界観、キャラクターの魅力やTwitter等のファン層のノリを崩したりズレないように配慮する必要がある。
SNSは基本的にユーザーの世界である。そのため、企業があまりにも自社製品のツイートを押(推)してしまうと拒絶されやすい状態になってしまいかねない。
つまり、一般ユーザーにとって邪魔な投稿になってはいけないという事だ。
※ただ、この投稿には偶然も重なっている。この製品に関してはツイートのために入手をしたのではなく、偶然にも買おうとしていた社員が通勤前に入手出来たと見せてもらったところ「ピアスのガクブチに入るのでは…?」となったため実行したから出来たものだった。
とはいえ、こうしたタイムリーな話題をつかんでおき、いざという時にスピーディにツイート出来たかどうか、等も重要な要素のひとつと言えるだろう。
特に気をつけたのは
・キャラクターに対してファンが持つ現在のイメージ
・他社製品と自社製品、そしてキャラクターと違和感がないかどうか
・自社製品よりもこの他社製品が美しく見えるよう撮影
・作品内の用語等の齟齬がないかどうか
・関連タグは絞り込んで3種のみ
以上の事である。
※なお、あまりにもかけ離れてしまったり合わない部分があれば、投稿しないという判断も必要になってくる。
「届くツイート」を意識すれば、自社の課題解決に繋がることも
またこの投稿により、『ピアスのガクブチ』という製品は、その製品名のために第一印象で「=ピアスのみ」と思われがちだったイメージを払拭するきっかけの一つになったとも言える。
つまりツイートを少し工夫することで、自社がもどかしく感じていた課題の解決、解消にも繋がっているわけなのだ。
このように、1投稿を記事のように見やすく、読みやすくしたり、
写真のインパクトで目にとめてもらいやすくしたり、それぞれに工夫をしていく事で「届けたい相手に届くツイート」を心がけていく事をオススメする。
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