【インタビュー】企業Twitter「アイラップ」担当者さんに聞くTwitter運用とは ※前編
noteインタビュー第2弾は、企業Twitterアカウントの中でも2018年から開始され現在フォロワー数が7.9万とここ2年ほどで急激に成長したアカウントとして注目を集めている「アイラップ」アカウント担当さん。
岩谷マテリアル株式会社さんのあらゆる製品を取り扱っている中のほんの小さな製品ではあるものの、探してまで買いに行きたくなる袋状のラップとして話題に上り続け、またTwitterでは体当たり的なツイートでも話題の「アイラップ」Twitter担当者さんにお話を伺いました。
※後編はこちらから
取材日:2019年12月末
Twitterアカウント開設について
ーーー担当になられたきっかけは?
「自分が開発したおにぎりぽっけの認知拡大のために、まず一部地域で認知されている「アイラップ」の名前を借りてやって行こうと。自分から志願しました。」
ーーー志願されて、すんなり会社からのは許可が降りたのですか?
「いえ、社内はSNS=炎上というイメージがあり危険だという考えでした。つまり最初のうちは「ノー」という返事でしたね。」
ーーーそういうものなんですか…
「私は商品開発の立場として
新商品=宣伝は不可欠=予算がない
=Twitterでやらなければ、人に知ってもらえない!という考えでした。」
ーーー私(筆者)も元はメーカー出身なので、まず認知率拡大、でも予算が割けないからTwitterに…という流れになるのはよくわかります。結局会社からのOKは出たということですよね?
「2ヶ月の交渉の末、3ヶ月間限定でということで始めました。
今は…なし崩し的に担当になった、という状態です。」
ーーー運用について苦労された点はありましたか?
「反応が伸びないのでとりあえず、Twitter社さんのセミナー参加をしてみたんです。それで、紹介されてたいくつもの運用方法をそのままリストとして書き出して、それを上から順に忠実にやってみていたんです。
そのリストの中で『トレンドタグに乗る(※)』という項目があって。
ちょうどトレンドに上がって来ていた「#一般の人が時々誤解しておられること」というタグがあったので、うちの製品の悩みに合わせて、自虐的に乗ってツイートしたんです。
で、そのツイート直後に会議が入ってたのですが、その会議中にスマホの通知が鳴り続けていたんです。周りの人も気がついたぐらいで。」
※トレンドタグ=Twitter内で今どんな話題が多くツイートされているかのリアルタイムランキング。パソコンからは常時表示、スマホからは表示切り替えで見ることができる。
ーーーつまりTwitterの反応があった通知が大量に来て大変なことになってたんですね…?
「まさか通知だけでそんな状態になるとは全く思っていなくて。
単に『あれ?何だろう急にスマホ壊れたのかな』と思いました。電池もどんどん減っていくしで…」
ーーーそれがあの最初にバズった状態だったんですね。
「実は私、文字を打つのが嫌いで。連絡も電話派っていうくらいだったので皆さんが知っている『バズる』という言葉も知らなかったんです。
当時はTwitterの「バズったら宣伝」だとかのTwitter文化はわかっていませんでした。
ともかくそれですごく反応が多くて、返信や反応に地道に一つずつ返信していくと、そこから取材がたくさん来るようになりました。」
ーーー取材が来たということは、社内にも知れ渡っていきますよね?
「取材依頼のお電話がたくさん来るので…。おかげで社内もザワついていたようです(笑)」
ーーーではそのおかげで3ヶ月限定だった運用も延長されたんですか?
「期間というのは6〜8月の3ヶ月間という会社との約束でした。
バズったのは7月だったんですが、どうせ3ヶ月限定と決まっているしなーと思っていたら続くことになりました。」
ーーーそれは話題性を生み出した”功績”として?
「ここまでの騒ぎになった責任を取れ、的な流れで(笑)そのままTwitter担当を継続になりました。」
ツイートに関して
ーーーアイラップさんのアカウントといえば、Twitter上で企業のアカウントによる ”ツイートだけで行う"「#企業創作歌合戦」の絵が印象的でした。あれを描いたのは担当であるご本人によるものですか?
「社内では自分以外Twitterに関わる者はいませんから…。パステル、アクリルガッシュで私が描きました。」
画材等はTwitterで交流のある文具メーカー「ぺんてる」さんからいただいたものを使用したそう。絵柄や雰囲気共にかなりのレベルの高さがうかがえる。
ーーーお描きになってる絵ですが、雰囲気もあって発想も「ただ者じゃないな」と思いました。
もともと描き慣れている方なのですね。
「それがTwitterではそんなに目立たないというか、他社さんの作品で『ああこれはやられたー!』と思う事が多くて。
私はずっと人間工学を学んできたので、絵にしてもきっちり組み立てるように描いていくもの、という頭があるんです。でも時折Twitterの企画等で他社の担当さんによる着眼点だとか、奇抜な発想には驚かされます。」
ーーーいわゆる「画伯(※壊滅的な絵を描く大人に対する賞賛表現)」さんですね。
「それに自分自身は開発担当なので、本当に発想だとか着眼点だとか、ああいった”ひらめき”って大事だなーと。」
毎年夏に行われている他企業企画「#中の人動物お絵かきコンテスト」の参加作品。こちらもパステル画。(実物はカラーとのこと)
ロックバンドQUEENの有名なジャケット写真のパロディになっている。
ーーーツイートのネタなどで意識している事はありますか?
「私の場合、狙って書くと大きな反応は来ない、というのがもうわかっているので、自然体でいるのが一番です。
その方が反応があるので、いつも素で書いてます。だから自然体。顔文字の雰囲気なんかも、普段の私もあんな感じなので(笑)」
ネット文化やTwitter文化を詳しく知らずとも運営していく力量や姿勢、そして必ずしも話題性に乗るばかりではなく、反応を見ながら自ら話題を生み出していける運用方法は、あらゆる企業アカウントにも運用のヒントを得られるかも知れません。
ひき続きアイラップTwitter担当さんにより詳しいTwitter運用である交流について、また日々感じる事などについてお話を伺います。
※後編は来週2/12(水)に公開予定です。
取材、文、撮影:CM BAR 野際
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