「ネタがなければ作れば良いのよ!」〜中小企業の”ゆるい”Twitter運用は企画をしてみよう〜
ホイホイ新製品が出る大手と違って、中小企業が日々Twitter投稿していると、どうしても行き当たるのがコレ。ならばどうすればいいのか。
以前の記事「ネタがない!」というまえにでも触れたが、とことん客観視すればそれなりにネタは周囲に転がっている。
だが時折、その客観視アンテナが働かないこともあるし、しっかり客観視できていればいる程、マンネリ化していると気付く事があるかもしれない。
今回はそんな時のアドバイスである。
もしあなたの所属する企業の取扱い製品が
・誰もが知る製品または社名
・食品
・単価が安い
・年に何度か新製品が出る
・コンビニやスーパーで入手できる
のであれば、Twitter運用はとても楽だと言える。
つまり、
知名度(認知率)
消耗品(リピートされやすい)
安価(子供でも買える価格帯)
新製品(新しい情報が発信しやすい)
販路が大きい(誰もが入手しやすい) これら条件が揃っている場合、
一般ユーザーからフォローされやすく、即購入されやすく、そしてTwitterに上げてもらいやすい。
これが揃っているなら、ゆるいカジュアル文章のツイートでも堅い文章でもどちらでもそれなりのインプレッションやフォロワー獲得は出来ると言える。
だとすると、これら条件が揃っていない企業はどうすればいいのか。
結論から言うと、一般ユーザーにとって「フォローしたくなる存在になる」ことだ。
(…自分で書いていて耳が痛いところではあるが。)
企業アカウントは結構「言いたいこと」があるものだ。
自社製品や自社そのものについて、自社の歴史もあるだろう。
だがしかし、それらは一般ユーザーが「聞きたいこと」ではない。
いわば「校長先生のおはなし」のように聞き流されてしまう。
例えば、取扱商材にちなんだ豆知識でも何かのレシピ等の役立つ情報でもいいし、ユーザー参加型の企画をしてユーザーを楽しませる。
担当者が楽しむのも大切だが、それを見て楽しませられるかは重要だ。
これにプラスして「なおかつ企業PRも出来る何か」をなるべく…なんとか試行錯誤しつつ投稿していく。
担当者たちだけが、ただただ楽しい会話を延々と続けるだけでフォロワーを楽しませられていないなら内輪話でフォロワーが蚊帳の外…などという逆効果の状態を生んでしまう。これは企業Twitterを運用する上で、最も避けねばならない。
ユーザーが聞きたいことが何も思いつかないなら、社内の紹介をしつつ会社の販促品をプレゼントキャンペーンにする…という手もなくはない。
なくはないが、これでは何度も出来る手段ではないので「もたない」し、
何よりキャンペーンだけするアカウント=一般ユーザーにとって物をくれるだけのアカウント、と認識されるのは企業がメインで運用するアカウントとしては最良とは言い難くなってしまう。
(※これについては別途記事で触れる予定)
考えるポイントとしては「自分がユーザーなら、何をもって自社をフォローしたくなるか」である。
以前【ネタがないという前に】で触れたように、とことん自社を客観視することがここでも必要になってくる。
そんな場合は他企業の企画に乗ってみたり、参加したり…。
他社頼りにするのも方法としてなくはないが、
自社で企画を打ち出す、ということをオススメしたい。
タイトルの「ネタがなければつくればいい」とは、ネタの捏造、ではなく
企画というネタを作るという提案だ。
例をひとつ挙げると、
例:「#夏休みの公式宿題2019」
2014年から続くTwitter企画の第5回目。以前は建材メーカーだったため「ものづくり」に焦点をあてた立体物を作るのが参加条件だった。
上記は自社で夏に実施している企画。
Twitterやブラウザの検索で「#夏休みの公式宿題」と検索してみてほしい。
いくつか過去の作品や記事を見る事が出来ると思う。
(※本企画は私が2014年当時にゼロからの企画を立ち上げたこともあり、特例で前職の建材メーカーから許可いただき現在のCM BARで引き継いだもの。)
これがベストとは言わないが、この企画を発案する条件としては
・企業、一般誰でも参加が可能
・自社の費用負担がかからない
・素材条件がないのでタダでも参加出来る
・参加しなくても見て楽しむことが出来る
・各企業は自社PRに使っても良い
・子供の頃作った記憶を思い出して楽しめる
・オリジナルでも良いし、既製品のキットで参加も可
・発表時や締め切り時にそれぞれ話題にされやすい
・自分で作る楽しさを感じてもらう
・自社企業がメーカーなので、ものづくりの重要さや大変さを考えたり感じてもらえる
(※現在はデザイン会社なのでデザインに焦点をあてているため、平面も可とした)
以上の条件や利点が揃ったので実施に踏み切った。
この条件で最も重要視したのは「なるべく多くの人に楽しく見てもらえるか」だ。
当初は数社でも良い、一般の参加者はゼロでもそれはそれで仕方ないという気持ちもあったが、実際スタートさせると企業や一般からの参加者は多く、「宿題」という誰もが通る道に対する話のネタにもなり、
結果 第一回で参加作品数は200を超え、TVの情報番組の取材を受けたりWeb記事にも多数取り上げられる企画となった。
※作品例と記事例いくつか※
ねとらぼ記事
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1408/25/news085.html
ねとらぼ記事
https://togetter.com/li/711811
Vario記事
https://www.vario-media.net/impact/20170915_28850/
第一回の「夏休みの公式宿題」企業作品の一つ。
東京光音電波株式会社様の「抵抗感のあるイス」。自社商材とその素材のアイデアが話題になった。
東京光音電波株式会社 Twitterアカウント @tkd_web
また参加側の結果として、企画を通じてTwitterを利用していない層にも自社や自社製品をPRする企画になったと言える。
フォロワー獲得は大きな数字にはならなかったものの、印象付けは大きく社内外で話題にもなり、驚くべき作品には企業や一般参加者それぞれに注目が集まり、企画側も参加側もPR出来たという結果になった。
それぞれに大きな収穫、言うなればwin-winな企画となったわけである。
企画例や参加例としてひとつ挙げたが、参加するかどうかは企業によっては許可が下りない場合もある。
企業のTwitterアカウントは企業のものだ。
許可がなければアカウントを開設することも、発信もしてはいけないものである。
そしてTwitterを運用してするにあたっての企業方針も存在するため、それぞれハードルがあるだろう。
正直なところ、企業にとって必ずしもゆるい運用が正解なのかと言われればその判断は他社や他者が言える事ではないのだ。
なおかつ、成功しているかどうかの結果が出るのも大抵は時間がかかる。
そして企画というものは成功するものもあればスベる…うまく反応が得られない事も多々ある。
だがそれは担当者の一時の恥くらいのもので、それで企業イメージが悪くなったりフォロワーが格段に減るということはあまり無いので安心してほしい。
めげずにトライアンドエラーを繰り返すことが出来るのもTwitterの利点と言える。ネタや企画はスベってもいいのだ。スベることなど怖がらず、また別の企画を打ち出して行けばいい。
それをひたすら繰り返し、10にひとつくらいはいい企画が出せれば御の字というものだ。
日頃のちょっとした反応や話題に敏感にアンテナを張り、何か発案出来ないかとひたすら考え続けていれば、何かは思いつくものだ。
実際、私は数え切れないくらいネタや企画はスベったなと記憶しているし(なるべくなら思い出したくはないが…)、どれだけスベろうが、それはそれで人間性が出て親しみを感じてもらいやすい要素になる…かもしれない。他社にとって不快なものでないなら、のちのち自虐ネタにでもしてしまえばいい。
企業が発信するものとしてOKであるというハードルさえ突破出来れば、どんどん実施して行く事をオススメする。
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