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落語に関心がないあなたへ!【名作中の名作のお話です!】
毎年12月になると途端にやる人が増える名作中の名作の落語「芝浜」。
「誰も彼も」という感じがしますが、まあ、それは置いておくとして。
どんなお話かというと、
腕はいいのに飲んだくれの魚屋、勝五郎。
今朝も仕事に行かずに寝ているところを女房に起こされるが、「明日からは必ず行く」と言ってまた寝てしまう。
そして翌朝、まだ暗くて寒い中、しぶしぶ河岸(かし)へ行く。
しかし、河岸へ着いてみると、まだ夜は明けず、誰もいない。
そこへ聞こえてきた芝、増上寺の鐘。
女房が時を間違えて、早く起こしてしまったのだった。
腹が立ったものの、今から家に帰るわけにもゆかず、芝の浜へ出て一服する。
そのうちに夜が明け、漁を終えた漁船が入ってくる。
「今日は大漁だぜ!」
ふと下を見ると、波間に何やらゆらゆら揺れているものがある。
拾い上げてみると、汚い皮財布。
中を見ると、金がたんまり入っている。
それを懐に入れ、急いで家に戻る。
「これだけありゃ、もう働かなくて済む」
大喜びの勝五郎。
酒をあおって寝てしまう。
そして、目が覚めるなり、湯へ行き、帰りに酒だの食べ物だのを大量に注文し、友達を連れてきて大騒ぎ。
ひとしきり飲み食いして、また寝てしまう。
夕方になって目を覚ました勝五郎に女房。
「おまえさん、何があったんだい?」
「この勘定、いったいどうするつもりなんだい?」
きょとんとする勝五郎。
「どうするって、あの金があるじゃねぇか」
「なんだい、あの金って」
「今朝、芝の浜で拾ってきたあの金よ」
「何を寝ぼけてんだよ。そんなものどこにもありゃしないよ!」
夢だった。
財布を拾ったのは夢で、飲み食いしたのは現実だった。
女房に頼み込み、その勘定はなんとかしてもらい、そのときから酒をぷっつりやめて、懸命に働き始めた。
元々腕のいい勝五郎。
いったんは失ったお得意も戻ってくる。
そのうちに表に店を持ち、使用人を使うようにもなった。
3年経った大晦日。
売り掛けもあらかた取り終えた。
今年中に払えない相手については「いいってことよ、俺にも身に覚えがあらぁな」。
そんな勝五郎に、
「おまえさん、ちょっと見てもらいたいもんがあるんだけど」とおかみさん。
箪笥の引き出しから何やら出してきて、勝五郎の前に置いた。
汚れた皮財布だった…..
/ ここからがいいところなのですが、大好きな話だけに、私の拙い文章ではなく、是非、落語で聴いていただきたいので、ここまでにしておきます。
動画配信サイトなどにもありますので、是非お聴きになってみてください。
勝五郎が皮財布を拾った芝の浜は東京都港区のJR田町駅周辺とされています。
今、その面影はまったくありませんが「本芝公園」という公園があります。
この辺りは江戸時代には「雑魚場(ざこば)」と呼ばれていて、魚が水揚げされていました。
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