48歳からのリスタート
私は、14年の雑誌編集者としてのキャリアを手放し、48歳の時にノープランで会社を退職しました。
それまでの私はゴリゴリの仕事人間。学歴もコネもなく、経験すらそこそこな私が、雑誌編集の仕事で編集長になり、そのポジションを維持するには、ひたすら働いて結果を出すしかないと思っていたからです。30代から40代前半。女の一番大切な時期を、すべて仕事に費やしてきました。寝る間も惜しんで働いた挙句、部屋が荒れ、心のバランスが崩壊し、食が乱れ、体重が激増。さらに不器用な性格が災いし、仕事の予定を優先するがゆえに、友達も彼氏も離れていきました。
頑張れば頑張るほど、 幸せが遠くなっていく。
なりふり構わずやってきて、仕事で無理をしなくなった頃、私はすっかり燃え尽きていました。自分に楽しみを与えず、ひたすら我慢をさせ続けていると、「何が好きなのか、何が楽しいのか」を見失います。真の望みがわからないのですから、何をしても幸せなはずがありません。
仕事があればいいとか、愛する人がいればいいとか、遊びまくりたいとか…人によって幸せの定義は異なりますが、本当の自分を生きていないと、どんなハッピーな出来事がやってきても心は満足できません。状況は問題ではなく、心のあり方が今この瞬間の幸せを決めるからです。心が愛と悦びに満たされて、今に意識を集中させることができれば、それが天国を生きている証になります。
体も心も使い倒した私にとって、まずは自分を取り戻すことが幸せに向かう道でした。
私らしく生きるために、 自由になることを自分に許す。
そこで2014年に会社を辞めると決めました。48歳で独身女、親ひとり子ひとり。年齢的に再就職先が見つかる可能性は限りなく低い。めっちゃリスキーだし、先のこともまったく考えてないのでアホです。だけど、自由になると決めた途端に、ものすごい開放感がやってきました。そして今に至ります。
ここまで身の上話をしてきたのは、私ほど一途なアホでなくとも、マジメで周りのことがよく見えるばかりに、人の期待を生きてしまう女性が多いと感じるからです。自分の幸せをどこかへ吹き飛ばして、彼氏だったり友達だったり子どものことを優先する。それが続くと、自分を見失っていきます。そんな女性たちが、たったひとつの生きがいさえも失わないうちに、癒やしが必要だと気づいて欲しいという想いで、このエッセイをスタートしました。
私のように何かを捨てなくても、自分が無理しているかどうか気づくことはできます。その上で必要なケアができれば、ほとんどの人は我に返って、愛と悦びに心をチューニングできます。だって、人の本質は愛ですから。
あなたが、今この瞬間から、自分を心から大切にして愛すること。それが、天国へとワープする方法です。