失うもの

さつまいもをいただいた。娘が天ぷらがいいと言うので久々に揚げ物をした。少し食べたら胸焼けしてしまい、食べるのを中断した。
若い時はこんなんじゃなかったのに。気持ちとはうらはらに体は確実に老化へ向かっている。
記憶力も昔はもっとあった。勉強はダメだったけれど、楽譜は全部暗譜できたし、曲の名前もスラスラ出てきたのに。
歳を重ねるたびに失うものが増えていく。それと同時に肩に背負っているものも、少しずつ軽くなっていくのかもしれない。
できなくなる、ということは同時に自由にもなる、ということなんだろうか。
人はたくさんの矛盾をはらんで生きているような気がする。
矛盾こそが人の複雑さであり、深みでもあると思う。それでいいんだ、と思っている。
でもやっぱり、なるべく元気でいたいなぁ。
まだ何か背負っておきたいみたいだ。私は。

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