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シャスタの風
年明けにネイティブアメリカンのフルートを聴きに行ってきた。
こぢんまりしたカフェで私以外はみんな知り合いのようだった。
いつもお世話になっている身体メンテナンスの先生が主催。
アメリカのシャスタから一時帰省しているハルコさんという方のネイティブアメリカンフルートが聴けるというので、早くから申し込んで楽しみにしていたのだった。
ハルコさんはマイクを一本だけ立てて、いろんな長さのネイティブアメリカンフルートを足元に数本並べている。
ハルコさんはちょっと不思議な話をしながらフルートを鳴らしていく。
この音の感じはちょっと言葉にはできない。
一瞬、私がどこかへ行ったのか、ハルコさんが違う場所に行ったのか、そんな錯覚に陥った。
一体どうなっているんだろうと戸惑いながらもフルートの音はその間にも体の中に染み込んでいく。
木製の笛の音色は柔らかく、なんだか懐かしい人の声のようだと思った。
ネイティブアメリカンのフルートは楽譜などはなく、即興演奏が主のようだ。
彼女は子供のように微笑んだ。
どんな音楽を吹けばいいのか、楽器が教えてくれるのだ、と。
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