おばあちゃんの指輪が見つかった話
あのな、不思議なことあってん。
おばあちゃんの指輪つけてな、おばあちゃんのところの草むしりしててん。あんまりにも草生えてたから。手袋はめて。
草むしり終わって、手袋とって車に置いて、家帰って、また草むしりしたんやけどな。
手を洗って、ふと気づいたら指輪がないねん。どこで落としたんやろと思って、家も車も外も探したけどないねん。もちろん手袋の中も探したで。おばあちゃんの家ももう一回行って探したけど、見つからへん。どこ探してもないねん。
がっかりしてその夜はあんまり寝られへんかった。
次の日な、ロロンが外に出たいみたいやったし、ドア開けてやってな。
そしたらこっちみて「ニャー」っていうからな。
わたし、玄関の外の階段に座って、
「おばあちゃんの指輪、見つからへんねん、探したんやけどな、ないねん」
ってロロンに言うたんよ。
そしたらな、ロロンが階段降りて、ちょんと座った。右見て左見て、でも動かんとこっち見るねん。
なんやろな、と思ったけど、そのあとすぐに畑のほうに走っていったわ。
でな、ロロンの座ってた場所をふと見たらな、
指輪があってん。
何回も探したんやで、そこも。全然見つからへんかったのに。
なぁ、めっちゃ不思議やろ。
ほんまによかったわぁ、見つかって。
○ロロンは実家の猫です
○母から聞いた話です
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