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ア段にするとインド料理っぽくなる
食べ物の名前の母音を「ア」にすると途端にインド料理っぽくなる、とTwitterで読んだ。
イタリアンも和食もインド料理になる
試してみよう。
マルゲリータはマラガラータ。
カルボナーラはカラバナーラ。
ペスカトーレはパサカターラ。
確かにイタリア料理がインド料理っぽくなった。
和食はどうだろう。
お好み焼きはアカナマヤカ。
串揚げはカサアガ。
焼肉定食はヤカナカテアシャカ。
インド料理というより呪文っぽい。
お茶漬けはアチャダカ。
アチャがインド料理っぽさを醸している。
しゃぶしゃぶはシャバシャバ。
シャカシャカやシャバシャバはインドというより東南アジアのイメージ。ジョグジャガルタに引っ張られているかもしれない。
親子丼はアヤカダン。
天ぷらうどんはタンパラアダン。
ンで終わるとインド料理感が薄まり、タイ料理感が強まる。トムヤムクンを連想させるからかもしれない。
音引きにするとインド味が増す
幼稚園の年長組の終わり頃から小学2年の頭頃まで、隣の家にインド人一家が住んでいた。大人は英語を話し、わたしよりいくつか年下のポピーちゃんはあっという間に大阪弁を覚えたので、インドの言葉を聞いた記憶はない。
わたしたちが住んでいた町は「高倉台」という。
タカクラダイ。
6文字5文字がア段。堺市(サカイシ)も前半分がア段。堺市高倉台(サカイシタカクラダイ)はア段率70%。インドから来たお隣さんは、ア段多めの住所に親しみを感じていたかもしれない。
けし餅はカサマタ。
くるみ餅はカラママタ。
白玉あんみつはサラタマアンマタ。
「もち」も「みつ」もア段にすると「マタ」。
マタのインド感は微妙。
「さらたまあんまた」と入力すると「沙羅珠庵又」が予測変換に出てきた。沙羅といえば沙羅双樹。沙羅双樹といえば平家物語。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
冒頭に登場する祇園精舎はインド。沙羅双樹は夏椿のことらしい。
マタのインド感は微妙だがタマが入るとインド味が増すのは、ゴータマ・シッダールタ(お釈迦様)の影響だと思われる。
豚の生姜焼きはバタナシャアガヤカ。
シャアを音引きにするとバタナシャーガヤカ。
音引きを入れるとインド料理味が増すのもゴータマ・シッダールタ効果か。イタリアンがインド料理に化けやすい理由がわかった。
イクラの醤油漬けはアカラナシャーヤダカ。
和食がインド料理に化けた。
パイナップルはパーナッパラ。
八宝菜はハッパーサー。
回鍋肉はハーカーラー。
青椒肉絲はタンジャーラーサー。
きんぴらごぼうはカンパラガバー。
杏仁豆腐はアンナンダーハ。
元々音引きが入っている味噌ラーメンはマサラーマン。
醤油ラーメンはシャーヤラーマン。
棒棒鶏はバンバンザーだが、元の気配を留めすぎていて、中華から脱皮しきれない。
酸辣湯麺はサーラータンマン。これもお酢が抜けなくてインド料理に化けづらい。ちなみに塩ラーメンはサアラーマン。サアを音引きにするとサーラーマンになって酸辣味が出てしまう。
鮎素麺はアヤサーマン。ユマ・サーマンのキルビルのビジュアルがドーンと思い浮かんでインド料理の入る余地なし。
やはり「ン」で終わるとインド味が損なわれるようにも思う。あんまんはア段だけどインド感ないし、豚まんがバタマンになっても、やっぱりインドじゃない。カレーまんはア段にしてカラーマンになるより元のほうがカレーが入っていてインドらしい。
「ア段にするとインド料理っぽくなる」「音引きを入れると、さらにインド料理っぽくなる」の法則を当てはめて、今のところ最強なのが麻婆豆腐。マアバアダアハのバアとダアを音引きにして
マーバーダーハ。
インド料理にありそうな名前になった。
麻婆の刺激と中華味にア段と音引きが勝った。
インドの二大叙述詩の一つ、マハーバーラタに響きが近いのも勝因か。
そう言えば、マハーバーラタの母音はアで揃っている。二大叙述詩のもう一つ、ラーマーヤナも然り。母音をアにするとインド料理っぽくなる。音引きがつくと、もっとインド料理っぽくなる。そう感じるのは「マハーバーラタ、ラーマーヤナ」の刷り込みのせいかもしれない。
日本人にお馴染みの「ガンダーラ」もア段揃えで音引きがついている。
「シャーナーメ」はア段多めだけど、インドではなくイランの民族叙事詩。エ段が混ざるとペルシャ味が増すのだろうか。「テヘラン」もエ段多め。
なんちゃってマルチリンガル
インド料理っぽくする遊びで思い出したのだが、「外国語のように聞こえる日本語」を過去の日記に書き留めていた。
例えば、こんな会話文。
A「アーユー ア サカナ(Are you a sakana)?」
B「私、魚じゃありません」
A「鮎は魚です」
確か英語を習いたての中学生の頃に覚えた、なんちゃって英会話。「アーユー ア サカナ?」は、「あなたは魚ですか?」と見せかけて「鮎は魚ですか?」。
教えてくれたのはお隣のおばあちゃんだったか、父だったか。父に教えてもらったのをお隣のおばあちゃんに試したのもしれない。
続いては、中学校時代の同級生のお父さんに教えてもらったこちら。なんちゃってドイツ語。
「イッヒ フンバルト デルデル ウンチ」(Ich 踏ん張ると der der ウンチ」
同級生に「私よりお父さんのほうが仲ええやん」と笑われるほど意気投合して、「おっちゃん」「まいまい」と呼び合い、家に遊びに行ってはいろんな話をしていた。
おっちゃんはお医者さんで、ある日、「おっちゃん、お医者さんやったらドイツ語できるん?」と聞いたところ、「できるで」に続けておっちゃんが披露したドイツ語が「イッヒ フンバルト〜」だった。
「ドイツ語ちゃうやん。真面目に聞いて損した〜!」と大笑いした。フンバルトがフンボルトっぽいし、冠詞のderを重ねて「出る出る」にするところが心憎い。
続いては、広告代理店時代の上司に教えてもらった、なんちゃってフランス語。
「ジュトジュデ ニジュ アトジュデ サンジュ」(10と10で20。あと10で30)
「アザブジュバーン ナガジュバーン」(麻布十番 長襦袢)
ボソボソと口の中で言うのが、それっぽく聞こえるコツ。上司はアートディレクター出身だったが、広告代理店に来るアート系の人は言葉遊び好きが多く、この人もそうだった。
同じ上司が「韓国語でサンドイッチってなんていうか知ってる?」と教えてくれたのが
「パンニハム ハサムニダ」
最近韓国語をかじっていて、「パン」と「ニダ」の音がよく使われているので、特長をとらえていると思う。
なんちゃって外国語は楽しいが、母国語にしている人に披露するときは取り扱い注意。物真似や似顔絵と同じで、「こんな風に思われているんだ」と相手を傷つけてしまうこともある。わたしだってLとRの区別がつかないカタカナ発音を真似されたら、似ているほど面白くない。ジョークとして笑える関係性の中で遊びたい。
日本語と言葉遊びが好きなインド人の友だちができたら、「母音をアにするとインド料理っぽくなる」の法則について聞いてみたい。
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