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『大泥棒』とハーブ(ブックカバーチャレンジ2日目)

コロナ禍が始まったばかりの2020年春。思ったより長引いていることへの不安と焦り、だけど、そんなに長くは続かないだろうから今を楽しもうという気分のなか、誰かが始めて広まった7日間ブックカバーチャレンジ。

「7日間ブックカバーチャレンジ」とは?
📕読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ
📕参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿
📕本についての説明なしに表紙画像だけアップ
📕毎日1人のFB友達をこのチャレンジに招待

facebookに投稿したものをnoteに引っ越しの2日目。六本木(当時)の「さかなのさけ」のおいちゃんを巻き込んだ1日目はこちら。

「普通」がファンタジー

前田美保さんからバトンを受け取って2日目。

他にも色んなバトンが回っていて飽和しつつありますが、「次の人に回さないと不幸が起きるよ」系じゃなくて、これをきっかけに会話が始まったり興味が広がったり、さらには経済にもつながったりという「楽しい循環を起こそう」チェーンメールみたいなものだと思っています。 

今週は仕事で脚本を20本ほど読んだのですが、物語的な事件(結婚とか離婚とか誕生とか殺人とか)よりも、「大勢が集まって大声を上げている!」「円卓を囲んで食事している!」のほうが大ごとで、なかなか冷静には読めず……。

3.11後の脚本開発では「舞台を震災前にするか後にするか」をまず話し合いました。同じ状況、同じセリフでも意味合いが変わってくるからと。

今回の災禍では、その範囲も深さもさらに大きくなりそうです。 実際、今書いている脚本で、登場人物たちが普通に外食したり買い物したり学校に行ったりする場面がすでにファンタジーになっていますが、作品が世に出る頃には「日常」になっていて欲しいと願うばかり。

ということで、2日目に紹介するのは、今読むと「密」が気になる1冊にしようと本棚を眺めたところ、密ではなく「STAY HOME」週間に面白そうな本と目が合いました。

「大泥棒」表紙 壁を思わせるざらつきのある灰色と紺色の地に白抜き縦書きで「清水賢二」「東洋経済出版社」「『忍びの弥三郎日記』に賊たちの技と人生を読む」「大泥棒」

宅配の件数が激増したけど在宅率も大幅に上がったので不在再配達は減っているとか。この本の商売の方々、とくに昼間の稼ぎはやりにくくなっているのではと想像します。

巻き込むのは小早川愛さん

1日目の「さかなのさけ」のおいちゃん、田中秀嗣さんに続いて、2日目にブックカバーチャレンジに巻き込むのは、ハーブ料理コンシェルジュで最近電子出版したレシピ本『作って、食べて、満たされて 私を幸せにするハーブレシピ』が絶好調の小早川 愛さん。

子どもがきっかけで知り合い、お酒とおいしい食べもので距離を縮めた友人。 レシピ本に「カンヌ映画祭風サラダ」が登場しますが、『嘘八百』シリーズ配給のGAGAさんで営業や宣伝を担当していた時期もあり、共通の知り合いと話題もワンサカ(死語?)。「最近何観た?」「最近何読んだ?」が挨拶がわり。『マチネの終わりに』が刊行された頃に道でばったり会ったら、「昨日一晩で読んじゃったの!」とほとばしるように感想を語ってくれたのが印象に残っています。

とにかく何かにつけほとばしっている愛さん。情熱の源のお裾分け、楽しみにしてます。

ここから先はブックカバーチャレンジから4年半余り経った2024年12月に追記。

酒盗ハーブは「大泥棒」

大泥棒─「忍びの弥三郎日記」に賊たちの技と人生を読む』はNHKの「週刊ブックレビュー」という番組に2度目に呼ばれたときに出会った。収録は2011年12月14日。

もう一人のゲスト、イッセー尾形さんのイチオシ本は『ソーラー(SOLAR)』。わたしのイチオシ本は『中原淳一 子供服の絵本』。お互いがイチオシ本を読んだ上でスタジオに集まり、感想を語り合う。この回は特に三冊三様だった。

テレビ出演といえば、ブックカバーチャレンジに巻き込んだ少し後の2020年夏、小早川愛さんは「ハーブで『マツコの知らない世界』に出る!」の野望を叶えた。

勢いが止まらない愛さんが面白くて、noteを書いたら1万字を超えた。

連載小説「漂うわたし」に愛さんをモデルにした「ハーブのマイさん」を登場させ、noteの続編も書いた。

YouTubeチャンネルやInstagramやvoicyでもどんどん発信。2024年夏、YouTubeチャンネルの登録者数が1万人を超えたのを記念してパーティーが開かれた。

わたしもお邪魔したが、ハーブ講座の教え子さんやハーブ本の読者さんが華やぎを持ち寄った会場で、愛さんはひときわハツラツとしてはなやかだった。ハーブだけでなく人との出会いも栄養に変えて、伸び続けている。眩しく頼もしく誇らしい。

フローズンマルガリータに愛さんが自らローズマリーを差して回った。モヒートもハーブたっぷり。料理にも愛さんがどっさりと追いハーブを盛っていた。新鮮なハーブの爽やかな香りにお酒が進んだ。

ハーブって、こんなに酒盗だったのね。「大泥棒」とつながった。

ハーブって酒盗だったのね。



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脚本家・今井雅子📚劇作家協会リーディングフェスタ「納期」🎙️膝枕リレー1300日超え
目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。