ラブリュスの意味?
5月25日(土)
(敬称略)
以前、「シャーロックはお好きですか」の投稿で警察ものの本をよく読んでいる
と書きました。
今回初めて、大門剛明の作品「両刃の斧」を読みました。
まず初めに、作者は何故タイトル名をこれにしたのか
不思議でした。
「両刃の斧」の意味を調べると、ラブリュスと言ってラビリンス、迷宮の
語源とも言われています。
「両刃の斧」と迷宮に何の意味があるのかわかりませんでした。
15年前に娘を殺された元刑事柴崎は病気の妻を看病しながら事件の真相を追っていた。
そんな時、柴崎のかつての部下だった川澄刑事も再捜査していた。
何やかんやの末、柴崎が復讐殺人で捕まるがずっと黙秘を続けている。
ある日、非通知の電話が川澄にかかってきた。
未解決事件(迷宮)を解く事が正義だと思い込んでいる、だが解かなくてもいい
迷宮だってあるんです、無理して迷宮の鍵を開けたとしても人を不幸にする
だけです。
迷宮を切り拓こうとする刃が、自分自身や大切な人を傷つけるかもしれないのです。
真犯人を知ることで、自分が一番大切な人を苦しめる事になるからずっと黙秘を
続けている柴崎と、真実を知る事で家族思いの夫がどれだけ苦しむのか
お互いを思いやる夫婦が、絶望のラビリンスへ堕ちていく。
結局、不幸な事が重なり合って起こってしまった事件でしたが、容疑者が
亡くなっているので、柴崎が正当防衛になる事でそんなに重い刑には
ならないだろうと言う終わり方でした。
実は、この作品を私は先にドラマで観たんです。
今まで、柴田恭兵は「あぶない刑事」みたいな軽い役の勇次しか知りませんでしたが
このドラマの柴崎は、家族を思いやる父親の信じられない位適役で
私は号泣しました。