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AIR SPICEの撮影と挑戦すること 03

料理写真の撮影には、筆者である料理家・カメラマン・フードスタイリスト・担当編集・デザイナー・調理アシスタント等が集まりますが、今回はスタイリストである、西﨑 弥沙さんの登場です。

フードスタイリストのお仕事

フードスタイリストとは、料理を盛り付ける際の器・背景に敷く布や板材・カトラリーなどの選定を行うお仕事。

料理に特化するスタイリストさんを間近で見たことがなかったので、現場で何を考え、どう動かれているのかには興味津々でした。

そんな西﨑さんも少し遅れて到着。後でお聞きしたのですが、タイミング悪くエレベーターの点検作業時間にはまり、なんと6階まで重い荷物を階段を使って運ばれたのだそう。

しかし、そんなことを微塵も感じさせない清々しい空気感を纏いながら、ザクザクとあっという間に梱包を解いていかれます。

カレーの器について

そして並べられたカレーのための器たち。今回水野さんからのミッションがいくつかありました。

まずは色です。今回は12皿ですが、全てのカレーの色を異なるものにしたいとのこと。これは今回に限らず、これまで作ったカレーもに「二度と同じカレーは作らない」をモットーにされている水野さんならでは。

そんな水野さんが大事にしている「カレーの色、表情」が一番引き立つように、今回西﨑さんが用意した器や背景も控えめでモノトーン系のものが多いようです。

そして今回の新しい方向性としては、言うなれば「より素でありたい」という表現。

普段からトッピングはせず、美味しそうなご飯もなく、作ったままのカレーのみを被写体にしている水野さんですが、今回は「より飾らない自分のカレーをそのまま表現したい」という意識があったのだそう。

料理業界の常識で言えば、撮影の時は一度に盛り付ける量は1人前が通常ですが、実際には見栄えやバランス意識して具材を加減するケースもあるのだとか。

今回の水野さんは、そういった「実際よりも良く見せるテクニック」をなるべく排除したいとのことで、作ったら作った分だけ、今回で言うとレシピの全量である4人前をということで、鍋っぽい器や少しサイズの大きい皿などが用意されているようです。

(つづく)

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