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AIR SPICEの撮影と挑戦すること 04

料理は食べて味わってこそ。ただし、紙面などで実際に味わえない場合の手掛かりはなんでしょう?
当たり前ですが味覚や触覚、温度などの体感的なものを差し引くとそこに残るのは視覚のみー。

そう、目だけを使って確認するビジュアルイメージしかないわけですが、それでも私達人間は限られた要素から「美味しそう」「香りがしてきそう」などの想像力を働かせているようです。

それであれば、書籍や画像上で表現するためのカレー作りは、単に美味しさだけを追求するのではなく「紙面になったときにどう見えるか」までを考える必要がありそうです。

ただ、だからと言って、視覚以外の足りない要素を補完するために要素を重ねていくというのは全くの逆方向ー。
水野さんの場合、よりシンプルに「引いていく」ことの方を重視しているように感じました。そこに鍵がありそうです。

今回のシリーズで言うと、よりよく見せるためのスタイリンングからは極力身を引いて、「そもそも自分のカレーとは何か?」「そのために色々な要素から優先的に残すべきことは何か?」そんな取捨選択が随分と前から行われていたように感じました。

カレー作り、そして写真、それを考えたときに残るのは「カレーの色」ー。
当たり前すぎますが、皿に注がれた時のカレーの色をいかに真っ当に表現するかに向かい、AIR SPICEの撮影チームは動いていました。

つづく


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