気持ち悪い絵を描く人
私は普通な人です。テレビは無いので、あまり大衆的では無いですが、すごい普通です。
ところが、ひとたび筆を持ちますと、酷く気持ち悪い絵を描きます。
しかし、気持ち悪いアートや映画なんて沢山あるので、まあいいか、とは思うのですが、ホラーやファンタジーの方向ではありませんので、市民権を得にくい、誰にもウケないだろうと危惧します。
まあさっき描いたのですが、どんな気持ちで描いたかお話させてください。
人の形は、私の中の存在のイメージで、心臓は痛みながらも全身に血を送ります。でも命はもう自然と一体となりかけています。細胞と花と血と涙のイメージが重なります。命のグロテスクさを直視しながら、美しい造形と色彩を探しながら描きます。
この人の形を描き出したのは15年ほど前です。たぶん小児病棟にあったキースへリングのポスターを見てからでした。息子が脳腫瘍で入院していたのです。
今日、飲酒運動のトラックが小学生の列に突っ込んで死傷者が、というニュースを目にしました。それで言葉に出来ない悲しみを思い出してしまったのかもしれません。
というわけで、悪気があって気持ち悪い絵をかいているのではなく、自分なりに真摯な態度です、と言い訳したかったのです。誰に対する言い訳やろ?(笑