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登校時のできごと

私の甥は障がいがあり、地元の小学校の特別学級に通っています。
学校がある日は、仕事のある弟夫婦に代わって母が毎朝甥を小
学校まで送り届けています。

先日、甥を送り届けて帰宅した母が「せつない光景を見てしまった」と落ち込んで帰ってきたことがありました。
いつものように小学校の駐車場に車を停めると、隣に停まっている車に女の子とそのお母さんらしき人が乗っているのが目に入ったそうです。
助手席に座っていた女の子は、地団駄を踏みながら泣きわめいていたそうです。
母が甥を校舎まで送って帰るとき、運転席から降りてきたお母さんが助手席の方へまわっていったのが見えたのだといいます。
「女の子を車から出して校舎に連れていこうとしていたんだと思う」と母は言いました。

娘が不登校になったばかりの頃、私が仕事で娘を学校まで送っていけないとき、母が代わりに送っていってくれていました。
娘は感情を表に出せない子だったので泣きわめくことはありませんでしたが、母の車の助手席からこちらを見る娘の表情を、私は今でも忘れられません。
母も、相当つらい思いを抱えて娘を送ってくれていたはずです。
女の子とお母さんの様子を見て、そのときのことを思い出してしまったと言っていました。

「学校に行きたくないなら休めばいいよ」
「学校に行かなくてもあなたの価値は変わらない」

「学校に行きたくない」と娘が言ったそのときに、そう言ってあげたかった。
久しぶりにこんなことを思った日でした。

あの女の子が、苦しい思いをしていませんように・・・



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