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触覚について

触覚について
アイソレーションタンク(皮膚表面温度と同じ34度に保たれた硫酸マグネシウムの水溶液に満たされた密閉タンク)に裸の人間を入れて浮かべる実験を行うと、五感の遮断とりわけ触覚刺激が限りなくゼロに近づく状況が体現された結果、被験者は幽体離脱に似た感覚を覚えます。

この実験に参加した立花隆氏は「肉体の中で自我が"ずる"と回転した」と述べています。
 


 生物がその進化の過程で、最初に脳の原型を獲得したと言われるヒドラ(腔腸動物)には口と腸と肛門しかありません。パイプのような単純な構造を持つヒドラの口のまわりには、神経細胞が集まって円環状に連なっています。口に触れたものが食べていいものかどうか判断するためです。この触覚器官が進化発展したものが"脳"だと言われています。

 しかもヒドラの口にあった神経細胞はその後、皮膚のメルケル細胞、内耳の細胞、舌の味細胞、眼の網膜細胞などにも分化していったのです。

 つまり五感を構成するあらゆる細胞の起源は

触覚

にあるということです。

 アイソレーションタンクの実験からも分かる通り、人間を人間たらしめているものは五感とりわけ

触覚

であり、この

触覚こそが五感の起源であり、脳の起源でもある

のです。


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