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占いとドーナツ

学生の頃のある日、友達とドーナツ屋さんで話していました。今はもうないダンキンドーナツ。そのころ私はぼんやりと生きていて、言われたことを消化するだけで毎日が忙しく、目標のない霧の中にいたように思います。

その友達はそれほど仲良くしている人ではなかったのに、その日どうして二人でいたのか、もう思い出せません。

 彼女は「鵠沼海岸にすっごく当たる占い師さんがいる」「みてもらった」と言いました。その頃、彼女はおそらく家庭のある人とお付き合いをしていて、そのことを言っていないのに占い師さんはわかっちゃったらしいのです。

すごい!自分のこれからがわかったら便利、聞いてみたい!とそれまで全然興味がなかった占いに、怖いけど行ってみようと思いました。
それが占いや瞑想の長いお付き合いの始まりです。

その頃の私は「未来が解ったら、無駄なく生きられて便利でお得かも」などと考えていたのです。

そのころはダーシャさんと言って、鵠沼海岸の駅の近くのお家で占いをしていらっしゃいました。「掘りごたつになってますから!」と明るい声で部屋に通されると、友達のうちに来たようなナチュラルな雰囲気でした。私はちょうど大学を卒業して入社式がもうすぐ、という時期で、これからの仕事のことなどを主に聞いたのだと思います。

もう何十年も前のことなので、詳しい内容は忘れてしまったのですが、何かが私の中でカチッとパズルがあった時のような感じがしました。自分には全然気がついていないことが、たくさんあるみたいだ、と思ったのを覚えています。
また脈なし!ということには、「次に行こうよ!次!」と明るくはっきりダメを言ってくれるところも、率直でいながら暗く感じないところが清々しいと思いました。

部屋の中に紙で作られた旗のようなものが床に置かれていて、静かでしんとした空気を良く覚えています。

それからは年に1、2回ぐらい、健康診断みたいな感じで行くことが続き、タロットの教室が始まったときにすごく嬉しくて勉強させていただきました。


使われているカードの写真から、瞑想のマスターを知ったり、ニルマーラさんの先生方にインドでお会いしたり、様々な事がその後起こっていくのですが、私の人生の中で、ドーナツ屋さんで友達とたまたま話したあの日はかなり大事な日だった、と最近よく思うのです。

どなたの人生でも、そういうターニングポイントになる一日がきっとあるのだと思います。
不思議な繋がりは、私たちの知らないところでもう用意されていて、一番良いタイミングを待っているのかもしれません。

明日がその日かもしれません。
よい一日をお過ごしください。


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