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「こんなふうに、暮らしと人を書いてきた」を読んでいる①

東京の台所2』という連載をWebでされている大平一枝さんの書籍『こんなふうに、暮らしと人を書いてきた』を読みはじめた。

この本に出会ったのは、栃木県の益子町で移動本屋『ペンギン文庫』に立ち寄ったのがきっかけだった。

まだ序章の序章しか読んでいない。本の深い内容までたどり着いてはいない。

読み始めて間もなく、気になる文章や心にグッとくる言葉がたくさん散りばめられていることに気がついた。僕の中で”忘れたくない”という気持ちが膨らみ、どこかに書き残したい思いからキーボードを打ちはじめたということ。

あまり詳しくは書けないけど、もともとは『東京の台所』の前に、荒物屋を取材する企画があがっていたらしい。だけど、その企画がボツになったことで『東京の台所』が生まれた。

昔のものづくりは、職人さんたちの手で、1つひとつ丁寧に作られ、それを買った人たちも丁寧に長く使い続けようとする風潮があった。

でも、今はどちらかといえば大量生産大量消費の時代。

個人の荒物屋は、日々、死活問題を抱えながら店を営んでいるに違いない。昭和の時代、市井の生活に欠かせない存在だった荒物屋も、今はその面影がない。市井の選択肢から外されつつある。

だからこそ、大平さんたちは取材を行い、店主と街の人との交わりや道具へのこだわり、存在感を残していこうとしたのかもしれない。

しかし、残念ながら企画は通らなかった。

理由は『荒物屋』がニッチ過ぎて、レトロ好きな懐古趣味の人にしか興味が持たれないのでは?という意見があったからみたい。

企画を考え、企画会議を通すのは実にむずかしいと感じている。

確かに、反対した編集者たちの考えに納得はできる。

とはいえ、少なくなりつつある『荒物屋』や『金物屋』にスポットを当てた取材から、店主たちの記憶や見てきた時代、古き良き道具などについて知りたい思いもあった。

まだ読みはじめたばかり。今日も続きを読んでいこう。



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