相談面接の火かげん
相談面接をしているときに、ふとイメージが沸くことがある。この仕事をして3年目くらいのときだろうか。具がどろどろに溶けているスープ鍋をゆっくりとかき混ぜている映像だ。その動きに合わせて、相槌を打ち、間合いを取り、言葉が出る。二人で溶けた具をかき混ぜながら、そろそろ食べごろかなと話している。
相談面接の流れで行ったら中盤あたりに起こる感じ。固い具材に火が通ってとろとろになる様は、固定観念でがちがちになった状況のひとつひとつの想い。それが対話によって解けていくイメージ。
そんなことをいつからか見るようになった。面接がおわっても余熱で調理をする人もいる。そして、冷えて固まっても少し温めればまた柔らかくなる。
自分はどんな火を持っているんだろう。
火の使い方は面接技法に通じる。火は明かりにもなるし熱にもなる。どんなふうに使えばいいのか、どこの具材から火を通せばいいのか、温めるだけでいいのか。教科書を読んだり、研修で学んだりと勉強した。
しかし、自分が「どのように」ではなく、「どんな」火をつかっているのかはスーパービジョンを受けないとわからない。
自分の場合は、おそらく炭だと思う。すぐには付かないがつくとなかなか消えない。じっくり温める。内より外で使われることが多い。ケア的要素が多く遠赤外線みたいなものも出ている。うかつに触ると汚れる。後片付けがめんどくさい(担当引き継ぎの方々ごめんなさい)
ガス火タイプの人みたいに、サッと付いてパッと消えるタイプではない。
ほかにも考えたらいろんな火のタイプの支援者がいそうだ。それはその人固有のもので、個性の部分。同じ学習をしたからと言って、判で押したような支援者ができるわけはない。
スーパーバイザーはそこをわからないと自分の火のタイプとその使い方を正しいとして違うタイプの人に教えてしまう。
ダメだしをくらったバイジーは一生懸命に挽回しようとするあまり、火加減を間違うのだ。
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