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旅するおむすび屋・香菜(かな)さんの「変わりたい!」をプロデュース!

この記事の元となる音源「Morning House」は、音声SNSアプリClubhouseで毎朝6:50から配信しています。一週間で一人の人生が「劇的」に変わる、新感覚のライフチェンジング番組です。
https://www.clubhouse.com/club/morning-house

各界のプロにも参画していただきながら、Before-After的なプロデュースで一人の人の生き方を変える番組「Morning House」。今週のライフチェンジャー(=人生を変えたい人)は「旅するおむすび屋」の香菜(かな)さんだ。今日は、彼女の人となりを深掘りしながら、今週どうやって課題を解決していくか、その戦略について語り合った。

全国を回りながら"おむすび"で"縁むすび"

まず、気になるのが「旅するおむすび屋」という活動(屋号?)の名まえである。一体どんなことをしているのだろう。いろいろ想像ができるのだけれど……。

実は香菜さん、全国を回りながら、各地域の食材を使ってその地域の方々と一緒におむすびをつくりつつ、人と人、人と食を"結ぶ"ご縁を創造し続けている。おむすびを通し、日本の「食」の魅力や「食をつくる人」の魅力を伝えるのが、旅で展開されていることである。うーん、いいですねぇ。

旅 × おむすび。

この掛け算でどんなことが生まれるのだろう。興味しかない。

拒食症で苦しんだからこそ食の魅力に目覚めた

そもそもなぜ、今の活動に至ったのだろうか。香菜さんはこう語る。「中学から高校にかけて、拒食症になった過去があるんです」。闘病生活は、約6年間におよんだ。当時、身長160cmくらいだったのに対し、体重は23kgほどにも減ったらしい。まさに危険信号を体が発していた。しかし、自身は「食べるのが怖かった」「みなで食卓を囲むのが怖かった」「食べるという行為がなくなればいいのに」と思っていたという。体調不良のもとは――「いろいろあるんですけど、人間関係に悩んで自分はダメだと思い込んでいた時があって。その際に『過剰なダイエット(数字を追いかけまくるような!)』に走ったのが一つの原因だったと思います」と彼女は振り返る。

「でも、だからこそ、食べることで体が元気になるし、みんなで食べると心も元気になるっていうことを鮮明に感じました。衣食住のうちの『食』が欠けることでこんなにも大きなものが人生から欠けるんだと切実になりましたし、反対に『食』が満たされればこんなにも人生は満たされるんだ、というう気持ちも抱きました」

彼女は大学生になって拒食症から脱することができた。どうも、人間関係が影響したようだ。「ああ、私を受け入れてくれる人が、実はこんなにもいるんだ」。人に恵まれ、縁に恵まれたことで、香菜さんは生きる喜びをたしかめた(詳細は下方のnoteをご参照ください)。そして、人から人をめぐりつつ風景にふれる旅をすることに彼女は目覚める。現在の活動はその延長線上にある。食と旅をミックスして"縁むすび"を開始するまでに時間はかからなかった。

なぜ「おむすび」に着眼したの?

数ある料理のなかで、なぜおむすびに着眼したのだろう。

「おむすびって、誰でも握れて誰でも食べられるじゃないですか。料理するのに包丁も必要ない。親子で一緒にだってできる。それが魅力だなって思って」

もっと言えば、おむすびであれば、食に興味がない人、または子どもやその親にも、"ハードル低く"食の大切さを伝えられる。「一緒につくる」なんてワークショップもできるのだから。

食べることは生きる喜びなんだってことをひとりでも多くの人に伝えたいんです」と彼女は言う。食べ物があたりまえのようにある環境下で、どこか「食べる」という行為に目を向けられなくなっている。そんな可能性が、日本人のなかに間違いなくある。たとえば「栄養を採るために食べる」なんて単純化されすぎた時間が流れている、等々……。そんな食事に彩りが添えられたら――たとえば「食べることにちょっと意識を向けてみる」とか、「ありがたみをもって食べる」「『いただきます』の意味をかみしめて食べる」といったことを加味する――それだけで「人生がすごく豊かになるし、未来に『おいしい』を伝えていける」と香菜さんは断言する。

おいしいには深さがある。より深い「おいしい」がある。味覚の反応だけではない。「おいしい」は人生の土台を確かにしてくれるような"満たし"をもたらしてくれる。おいしいは心の底からわくもの。それを今、私たちが体現・再現すれば、「おいしい」は未来につながっていく。

一方の課題は"旅"が事業になり切らないこと

だが一方で、課題もある。彼女の旅は、一人だけでしているものではない。サポートしてくれる人やカメラマンが同伴だったりする。チームで旅が運用されているのだ。そこには現実的な意味で「お金」が要る。「旅するおむすび屋」もマネタイズができなければ、今後、持続可能性は低まっていく。

「今の活動をどう事業にしていくかを考え始めています」

彼女は先日こうツイートした。

試行錯誤の日々。ここで、世界的プロデューサーの川原卓巳さんのアドバイスが飛び出した。

"こんまりさんプロデュース"を応用しよう!

川原さんの頭にうかんだ構想はこうだ。

まず前提。著書『人生がときめく片づけの魔法』などが大ヒットした近藤麻理恵さん(こんまりさん)をプロデュースしてきた彼は「(香菜さんにも)こんまりさんに使った手法をそのまま応用できる」と切り出す。なぜかというと、こんまりさんは片づけが大好きで、友人の片づけも自然と手伝うようになって、そのうちお金をもらうようになり、と、当初は片づけを仕事にしようと考えていなかったからだ。おむすびが大好きで大好きで、おむすびを通じて"縁むすび"を自然と始めた香菜さんは、そんな"こんまり"に似ているのだと川原さんは言う。

一方でこんまりさんは、そこから片づけ自体の価値を上げて、価値を多くの人に伝え、人と共に「仕事にする」ことができるようになっていった。「人と共に」もそうだし、ある意味、自身の片づけメソッドを書籍化することで、こんまりさんがたとえ現場に一緒にいなくても、こんまり流の片づけを皆が実践できるようにした。その端緒は「片づけの価値を上げること」にあった、と川原さんは指摘する。そこで、香菜さんがまずすべきは

「おむすび」自体の価値を上げよう

ということになった。言い換えれば、「おむすび」をブランド化し、価値を上げ、いま香菜さんがしていることに値段をつけて、価格を上げられるようにするということである。そうすれば、より多くの人が「仕事として香菜さんに関われるようになる」。一緒に旅をしてくれているチームの持続可能性も高まる。むむむ、これは妙案だ。

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おむすびをブランド化し、価値を逆転すらさせる

さらに川原さんは次のポイントをあげる。

「今までは(香菜さんのおむすびの価値について)『手が届きやすい』とか『身近にある』ということが強みだったと思うんだけど、今度は逆に、『手に入った時に嬉しい』という価値づけをしていく必要がある」

つまり、香菜さんのおむすびを求めて求めて、やっと手に入った時に、いかに強く「嬉しい」と思ってもらえるか、という点を勝負所にするのだ。

たとえば、おむすびを「お米」と「具」といった感じに雑に抽象化してとらえると、おむすびの構図はお寿司と変わらない。お寿司も、米と具だ。人は、寿司にであれば高いお金を払う。それと同じように、おむすびを高価値化していければ、話は進む、というのが彼の提案の骨子だ。その際に、「身近なおむすび」であることも大事にしつつ、香菜さんのおむすびにたどり着く「プロセス」をも価値化して、手に入れた人がその瞬間の喜びを倍加させられるよう仕組み化しようというのである。

ブランディング戦略3ステップを踏む

さらに川原さんは「価値を上げるには、3つのステップがある」と言う。それは

①知る
②味わう
③分かち合う

の3つである。彼はこれを解きほぐしていく。

「自分が手に入れた『おむすび』がどうつくられているか等を知れば知るほど、人はおむすびに価値を感じるんだよね。人間には、お金や時間などをかけたものに価値を感じやすいという性質があるから。だから、いろいろな角度から香菜さんがしていることを『知ってもらう』機会を増やすのが第一。二つめは、やっぱり『おむすび』なので『味わう』ってことが大事だよね。これは味だけの話じゃなくて、『にぎる』っていう体験も含めて味わうっていうこと。特に自分で手をかける体験はとても大切。それを体感してもらえる人を増やすのが第二。三つめは、みんなで食べる場を増やす、おいしさを『分かち合える』場を増やしていくこと」

①~③の最大化をすれば、「おむすび」や「旅するおむすび屋」の価値は必然的に上がっていくと彼は続ける。あとは、3つそれぞれをどう形にしていくかという話だ。

※このあと、こんまりメソッドの要点も川原さんが語ってくれた。

そうだ、コミュニティを一週間で作ろう!

指針は、「無限に好きでやってしまうことに価値をつけることが絶対にうまくいく方法だよ」ということ。

「香菜さんの場合は、無限に人と関わってしまうという"病気"を使ってやるのがいいと思う(笑)。コミュニティをつくることだね。天分だし才能もそこにあると思うから。そう、この一週間でコミュニティをつくるのがいいよ」と川原さんは提案の言葉をついでいく。

「確かに、病気だと私も思っています(笑)」と喜ぶ(笑)香菜さんは、「一週間で~?!」と驚きつつも、チャレンジしてみようと意を決したようだ。さらには、そのコミュニティの場や発信内容で、たとえば「香菜さん流のおむすび『にぎり』の作法」等を見える化していくと良い。これは先の「①知る」の大切な観点である。

あとは「コンセプトをはっきり」させることだね、とみなで同意。

特に「コアコンセプトを一言でいえるようになるといいね」と川原さん。彼いわく「今の『旅するおむすび屋』は『状態』を表すものだけど、そのおむすびでもたらされる『結果』はなんなん?ってとこまで言えるといいね」と。

これさえ決まれば、これから決定する必要がでてくる「コミュニティの名まえ」や「おむすびをにぎる作法のネーム」もおのずと定まってくるだろう。

では、明日からは? まず、「香菜さん」と「香菜さんのおむすび体験者」「未体験のオーディエンスのみなさん」との対話をしていこうという話になった。

明日が、楽しみだ。

▼拒食症との闘病、目覚め、香菜さんの願い▼

▼香菜さんのGOOD EAT CLUB▼

[本日関わってくれたプロ]
川原卓巳さん

▼新生「Morning House」とは▼



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