![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86022599/rectangle_large_type_2_5d8d818d35e93a0c9400fc4971648334.png?width=1200)
テスラがなぜトヨタを抜いて一位になれたのか?
こんにちは。
2000年代で自動車といえば、日本!
と世界で言われ続けてきました。
しかし、2020年に「テスラがトヨタを抜いた」と
経済系メディアを中心に誌面を飾りました。
しかし、テスラの販売数は明らかに世界一ではありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1662099419681-8zrt2UQfee.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1662099502330-iGOQiyZL50.png)
2019年のトヨタ販売台数は約1074万台で、
テスラは36万7500台と大きな差があるのです。
では、テスラはどのように世界一になったのでしょうか?
そもそもテスラとはどんな企業?
テスラの歴史
テスラといえば、「イーロン・マスク」と
多くの人は思い浮かぶと思います。
実は、イーロン・マスクが設立した企業ではありません。
2003年7月にマーティン・エバーハートとマーク・ターペニング
によって、設立された企業です。
イーロン・マスクは、2004年ごろから巨額出資した人物です。
そして、2008年にCEOとして務めました。
(法廷で共同創設者として認められる)
2010年に1株17ドルで上場しました。
2020年7月には、トヨタを抜き自動車業界でトップとなりました。
現在の自動車メーカーの時価総額は次のようになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1662100818498-9VC9ivUVXk.png?width=1200)
テスラの時価総額には、他の9社の時価総額を合わせても
勝てないまでに成長しました。
イーロン・マスク・・・南アフリカ共和国出身で国籍はUSA、カナダ、南アフリカ共和国。実業家、エンジニア、投資家。
X.com創業者(現PayPal)スーペースX創業者、テスラCEO、ニューラリンク共同創設者、ボーリングカンパニー創設者、Zip2共同創設者、OpenAI共同創設者
時価総額・・・株価×発行済総株式数で計算されます。他の算出方法もあります。
テスラの概要
テスラはテキサス州オースティンに本社を置き、
アメリカの電動輸送機器およびグリーンエネルギー関連企業です。
テスラの製品は、EV(電気自動車)、電動輸送機器、
ソーラーパネル、ソーラールーフタイル、
その他関連製品とサービスを展開しています。
プラグイン・セグメント(ガソリンと電気で動く自動車)で16%、
EVで23%の市場シェアを獲得しています。
なぜ、自動車メーカー世界一の時価総額なのか?
自動車産業のビジネス構造革命 〜利益面〜
自動車メーカーは、日米欧、基本的なビジネスモデルは同じです。
「クルマ製作費(コスト)+利益」の価格で売るという構造です。
純利益は、「普通車であれば数十万円、高級車は数百万円、
軽自動車は数万円程度」と言われています。
このことから、「付加価値をつけて高く売る」と
「安く作って数を売る」の2パターンになります。
「作って売る→儲けで新型車の開発or新工場の設立」
の循環で、大量生産から利益を拡大していきました。
しかし、テスラは違います。
「投資によって得た資金」で、車の開発と生産を行なったのです。
テスラは、現状の実態として売れば売るほど赤字なのです。
しかし、テスラは投資家から資金を得ることを目的としています。
なぜかというと、将来EV市場で一人勝ちする時が来たら、
しっかり利益を確保できれば良いという考えなのです。
なぜ、テスラに投資するのかは以下3つの理由と分析できます。
イーロン・マスクに対する期待感、ESG投資の拡大、
以下記載する戦略
自動車産業のビジネス構造革命 〜製造だけでない〜
自動車メーカーは、製造・販売だけです。
そして、周辺産業と協力して新しいサービスを提供しています。
しかし、テスラは違います。
周辺サービスまで自社または子会社で運営しています。
例えば、ライドシェアサービスや
燃料まで自社で確保しているのです。
自動車産業のビジネス構造革命 〜製造法〜
1台の自動車は3万個の部品から成立しています。
トヨタなどの企業は、コンストラクターと言われています。
商品コンセプトや設計、
最終組み立てから販売まで担当します。
部品は、部品メーカーが作り、
コンストラクターに納品します。
構造としては、次の図のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1662106132895-XmuQJXoCCX.png?width=1200)
しかし、テスラは直営工場内で完結します。
(※高度な技術を要するセンサー、半導体などは
外部サプライヤーに依存しています)
サムスン電子と共同して新設工場を設立など
自社でも巨額投資しているため、
今後全てを自社工場内で全て完結するかもしれません。
自動車産業のビジネス構造革命 〜販売形態〜
テスラの車両を買う場合、
基本的にテスラのWebサイトからの注文することになります。
納車は次の3パターンから選択できます。
・最寄りの直営店の「Tesla ストア」
・直営の充電ステーション
・自宅まで配送するホームデリバリー
従来、消費者はカーディーラから購入しますが、
テスラは販売代理店の概念がありません。
まとめ
テスラは自前完結型の製造工程とデジタル販路によって、
受注生産型の自動車メーカーを貫いています。
さらに、一切のテレビ等のマスメディア広告を打たない、
自社メディアの活用による緻密なPR戦略があります。
このことによって、コストダウンと在庫懸念を排除しています。
テ伝統的な自動車産業構造を大きく破壊しようとしています。
この新しいビジネス構造こそ投資家を集め、
自動車メーカーの時価総額世界一になったのです。