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シキュウ・サンキュー

 体調面であることが気になって、久しぶりに婦人科を受診しました。筋腫はあるものの良性だとわかりほっとしました。
 婦人科で内診を受けたのは10年近くぶりかもしれません。今は内視鏡のエコーの映像が、診察台の天井のモニターに映し出されるのですね。びっくりしました。
 診察台の灯りが落とされて、お医者さんがモニターに映し出された画像に「これが筋腫ですね。」と点と線を描きました。なんだかプラネタ
リウムを見ているみたいだなと思いました。
 この数か月間、月経が無いことを伝えると「見た所、多分閉経していますね。」と言われました。閉経しているかどうかも、子宮の状態を目視するだけで分かるのですね。
 天井に映し出された自分の子宮に「今までありがとう」と心の中で言いました。思いがけず感謝を伝えるよい機会になりました。

 カモワンタロット仲間のお友達から「ホドロフスキーのサイコマジック」というドキュメンタリー映画を勧められて見ました。
 カモワンタロットの製作者でもあるホドロフスキーはこれまでに、独自の方法で多くの人のトラウマを癒してきています。
 その「サイコマジック」というセラピーは、とても分かりやすく言うと、物語の力と創造の力、それから身体表現を通じて、トラウマとなっているネガティブな感情エネルギーを解放する方法です。まさに映画監督のホドロフスキーならではのセラピーです。
 映画の中には心に深い傷を負ったまま生きるさまざまな人物が登場します。クライアントそれぞれの人生ドラマに即して、ホドロフスキーはその負の記憶を、生きる力に変換してパワフルに解放させるための実験的ワークを施します。

 父親役、母親役の二人の介助者、そしてクライアントが一糸まとわぬ姿で出産のシーンを再現する生まれ直しのワークは圧巻でした。生まれたばかりのクライアントを全裸で抱きすくめる、母親役の初老の女性の、深い慈愛の表情には畏敬の念すら感じました。
 このワークには役柄や演技など吹き飛んでしまうほどの、ワンネスとしての深い愛が表現されていました。

 母親との関係から長い間吃音に悩まされていた40代の男性は、教会の中で「父の元型」と化したホドロフスキーに睾丸をつかまれた状態で(!)「俺はここにいる!!」と声を限りに叫びます。状況としてはとんでもなくカオスなのですが、この男性を長い間抑圧してきた力が、この叫びによって爆発的に解放されたことが感じられて、見ていて胸が震えました。

 それから一番衝撃的だった「サイコマジック」は、女性が自分の月経の経血で自画像を描くというワークでした。生理中の女性がこれもまた一糸まとわぬ姿で、自分の経血で真っ白な広い紙に自分の顔を書いていくのです。
 最初は「何もここまでやらなくても」とものすごい抵抗感が湧いたのですが、そのうちに、不思議と自分の中のとても深い部分から、悲しみとも悔しさともつかない感情が湧いて来て涙が出てきました。そしてその後から、今まで感じたことのない、ある種とても厳かな誇らしさのようなものを感じたのです。このシーンはぜひ多くの女性に見て欲しいと思いました。

 自分の中に、歴史の中で抑圧されてきた女性性への悲しみがあったことに初めて気づきました。穢れたもの、隠さなければいけないもの、恥、忌むべきもの。女性の体に備わる自然な生理へのネガティブな通念のせいで、ありのままでいることを無意識的に否定されてきた女性の悲しみをこのワークは深く癒してくれます。そして女性であることの誇りと力を取り戻させてくれます。
「サイコマジック」はホドロフスキーの人間存在への深い信頼と無条件の愛なくしては生まれなかったセラピーだと思います。
 ホドロフスキーという人の無限のイマジネーションと創造力。それから他者への共感能力の高さに改めて驚きました。

 病院の診察台でモニターに映し出された自分の子宮に「ありがとう」と声をかけた時、そういえば初潮が来たらお赤飯を炊いてお祝いをするのに、閉経って、女性の間でもどこかネガティブなイメージがつきまとっているなと思いました。それはそのまま老いを連想させるからだと思いますが、それもなんだか悲しいことのような気がしました。
 毎月毎月、生命を繋ぐためにたくさんの血を流して来た子宮に、やっとその役目を終えたことへの感謝を、もっと伝えてもいいんじゃないかな。
閉経おめでとう。いままでご苦労様でしたと、女性同士でも、パートナーと一緒にでも、言うことができたら素敵じゃないかなと思いました。

「ホドロフスキーのサイコマジック」予告編


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