お産の夢【夢の備忘録】
陣痛がはじまった30代くらいの女性と一緒にいる。
女性のそばには小さな女の子が一人いる。
女性はお産をとても恐れていて、そのせいで体が硬くなっていて、赤ちゃんがうまく下りてこない。
女性の恐れと痛みが、私にも、そばにいる女の子にもダイレクトに伝わってくる。(3人とも私なのだろう)
自分のお産の時の痛みをまざまざと思い出した。
女性と小さな女の子は恐れで少々パニックになっているが、わたしはどうにかして女性を安心させて、お産をすすめようと女性に話しかけている。
この女性のそばには女性の夫がいるが、夫は女性に厳しい目を向けている。
この夫は女性が健康な子供を産めるようにと、女性をかなり威圧的に鍛えようとしてきた。
家には女性のために夫がしつらえた、体力強化のための、大掛かりなジムのような機器がある。
夫に妻への愛は感じられない。
小さな女の子は、女性の「お腹の中の」子供でもあるようだ。
自分が生まれることで、女性に痛みと恐怖を与えていることに、とても深く胸を痛めている。
この女の子自身が、生まれることへの抵抗を乗り越えなければ、お産は進まないだろうと感じた。
お腹が硬くせりあがって今にも生まれそうになっているのに、女性は相変わらず出産に抵抗している。
もう胎児を体外に出さなければ、胎児は死んでしまうだろうと思い、女性に私がたずねる。
「赤ちゃんの名前を決めているでしょう?名前はなんというの?」
女性は痛みにひきつった顔で「ハルン」と答えた。
私は今度は胎児に向かって「ハルンちゃん。大丈夫よ、出て来ていいよ!」と声をかけた。
すると、胎児から「生まれたい!」というパワフルなエネルギーが伝わって来た。
「生まれていい」と許可されたことがとてもうれしいようだった。
「ハルンちゃん!」と呼ぶたびに、胎児ははげしく動いた。
けれど、それに伴って、母親である女性の抵抗もますます強まった。
なぜなら、女性は、赤ちゃんを出産すれば、体が裂けて自分は死ぬだろうと思い込んでいるからのようだった。
実際に、このお産では赤ちゃんを産めば、この女性は死んでしまうだろうと、私も感じていた。
でも、彼女は産まなくてはいけないのだ。
彼女が死んでも、新しい命が誕生する。
もし彼女が産むことをこのまま拒み続ければ、女性も胎児もどちらも死んでしまうだろう。
一番避けなければいけないのは、そのことなのだと夢の中で感じていた。
そこで目が覚めた。