初期研修医、公衆衛生を学ぶ@NIPH
(2021年10月01日)
初めまして。PGY2のMYと申します。
この度、NIPH(National Institute of Public Health, 国立保健医療科学院)で2ヶ月間の公衆衛生研修をすることとなりました。今後本研修への参加を検討する先生方に参考になればと思い、著作権等に差し支えない範囲で研修内容・感想をシェアしていきます。
(ぶっちゃけていうと、公式HPに掲載されている情報が余りに少なく、参加前に研修内容が詳細不明すぎたので…私のnoteを参考にして是非参加をご検討ください。)
<目次>
0. NIPH(国立保健医療科学院)とは
1. なぜ研修参加に至ったか?
2. なにを学ぶのか?
3. Day1:オリエンテーション
0. NIPH(国立保健医療科学院)とは
NIPHは「国の公衆衛生の総本山」です。保健医療、生活衛生及び社会福祉に関係する研修と研究を行っています(HPより引用)。
ちなみに、正式名称で言うと、NIPHの「専門課程Ⅲ 地域保健臨床研修専攻科」研修に参加しています。本研修は、将来、公衆衛生分野のキャリアを目指す医師の育成を目的としています。対象者は、科学院が臨床研修協力施設の取り決めをしている基幹型臨床研修病院の2年目研修医です。書類選考により一学年10人程度が選抜されます。
参考までに、私の研修病院は指定連携施設ではなかったため、まずは施設登録をお願いするところからのスタートでした。私のケースのように研修先が連携施設でなくても、研修医1年目から動き出せばなんとかなりますよ!前例のない依頼を快く引き受けてくださったプログラム責任者の先生・人材育成センターの方々には大変感謝しております。
1. なぜ研修参加に至ったか?
そもそも本研修の存在を知ったのは、尊敬する先輩が2年前に参加していたのをネットで見たことによります。参考までに2年前の研修記事はこちらです(海外に行けていて羨ましいです…)。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/cadetto/column/morimon/201912/563536.html
私自身の話をすると、行動変容に深い興味を抱いています。その契機となったのは、学生時代の自主プロジェクトである商品開発でした。それ以来「健康への関心が薄いフェーズにある未病層が健康へ関心を抱き(あるいは抱かずとも)、行動変容を継続するために必要な要素は何か?」というquestionをずっと持っていて、日常臨床でもモヤモヤとする場面が多々ありました(その一方で、現時点でpainを感じていない人の思考や行動を変えようとする試みは、医療者といえど傲慢が過ぎるのかもしれない、とも思ったり)。
ナッジ理論やソーシャルマーケティングといった行動経済学的な要素が強い分野を含め、公衆衛生を体系的/俯瞰的に学んでみたいという思いから、この度の研修参加に至りました。マクロな視点を携えて臨床現場へ戻った際に、ミクロな視点がどう変化しているか楽しみです。
2. なにを学ぶのか?
本研修では様々なレベルの公衆衛生活動を見渡し、キャリアの中での公衆衛生との付き合い方を考えてゆきます。具体的には、グローバル(WHO、GAVI)、リージョナル(WPRO)、国レベル(厚生労働省)、地域レベル(フィリピン大学、千葉県庁)での研修を経験します。
令和3年度の制約として、院内及びオンラインの講義・討論を中心とし、院外研修は厚労省と千葉県庁のみとなりました。2年前までは海外渡航研修がありましたが、コロナ禍のため昨年・今年は海外渡航研修はありません(フィリピン大学、WHO、GAVI、Global Fundはオンラインで研修が行われます)。来年は海外行けるといいですね…涙
講義のテーマは、健康日本21、疫学・統計、感染症対策、災害対策、医療経済、医療政策、地域医療構想、薬事行政、産業精神保健、医療ICT、遠隔医療、児童虐待・母子保健、環境保健、がん対策、国際保健、等、多岐に渡ります(広範囲で消化しきれない感…)。
評価項目としてグループ課題と個人課題を提出する様です。詳細は追記します。
3. Day1:オリエンテーション
初日はオリエンテーションでした。開講式、施設紹介やオンライン学習などの事務的な説明の後、2つのアイスブレーキングを行いました。
アイスブレーキングその1は研修参加者それぞれの「人生のタイムライン」発表でした。帰国子女6割、留学経験者7割、企業インターン経験者3割、起業に興味がある人3割、といった構成で、臨床だけして生きていくぞ、という人はほぼいない印象でした。私自身も学生時代にインターンを経験しましたが、昨今では医学生の企業就業経験は珍しくなくなってきていますね。
アイスブレーキングその2はLearning style inventoryという自身の学習スタイルを客観的に見つめる心理テストのようなものを行いました。学習スタイルの違いを理解することによってチームワークを円滑にする目的があるそうです。
さいごに
長文駄文にお付き合いくださりありがとうございました。これから、経験した研修ごとに備忘録的に更新していきます。ではまた。
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