実際に自分の書いたプロットを引用しますので、構成がどのようになっているか推理してください。(0〜8の番号はオリジナルにはないのですが説明のため振りました)
満月をさがして
#26 「伝えたいもの…」
プロット by まさきひろ
おわかりいただけましたでしょうか? このプロットは5つのブロック(A〜E)から出来ています。
A(1〜2) 新曲に対する円の決意。
B(3) リスナーに何を伝えたいか訊かれる満月だが答えられない
C(4〜5) 悩む満月。
D(6〜7前半)満月、若王子に父のことを訊きに行く。
E(7後半〜8)満月、答えを得る。
B〜Eは起承転結の構造です。じゃあAは何かというと……落語でいう〝枕〟のようなものでしょうか。AとBをともに「起」と考えてもらっても構いません。
「起承転結」「序破急」「三幕構成」「五幕構成」といろいろな構成がありますが、その目的は、おはなしを複数の局面に分けることによって、一本調子になるのを避けるためです。音楽でいうなら〝抑揚〟ですね。
抑揚がなくても面白い映画はあります。たとえば、オタール・イオセリアーニ監督の映画とか。眠気を誘われますが、それでも映画館なら観客も最後までつきってくれます。しかし、テレビだと「退屈」とチャンネルを変えられるおそれがあります。
局面の数はいくつでもいいのですが、僕は5を選んでいました。正味20分のアニメであれば、4分毎に局面が変わっていく計算です。そうした理由は、それが視聴者に充実感を与えるのではないかと考えたからです。自分でもそうしたリズムが心地よかったのです。
このことは誰にも言わずこっそりやっていたのですが気付いた人がいました。脚本家の高橋ナツコさんです。おそるべき分析力!
構成をどの構成にするかは、ひとつの型に固定するのではなく、内容に合わせて臨機応変でよいと思います。
とはいえ、据わりが良いのはやはり「起承転結」「序破急」などであるのは確かです。
次回は、回想内回想。