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マイ・ライフ・アズ・ア・リビングデッド #18

 1980年初頭、シンセサイザーで遊んでいた。きっかけは、僕が監督した8mm映画『新・たそがれに還る』(前述)の音楽を長崎大学シンセサイザー部にお願いしたこと。それでシンセサイザーに興味を持ち、自分でもRolandのアナログ・シンセサイザーとリズムボックスを購入した。(現在みたいにプリセットで音色がサンプリングされてるわけでなく、自分で波長を作るやつ。)
バンドじゃなく独りで演ってた。演奏したものをアウトプットしてカセットレコーダーに録音し、それをシンセサイザーにインプットして、音色を変換したりした。時には、リズムボックスや自分の生声を変換した。
 本人は気持ち良くてトランス状態に入っていたのだが、自信作を先輩の家でかけてたら、途中で消された。
 数年前、帰郷した折にいろいろ整理していたら、その時のテープが出てきた。
『地球の危機』というイラスト付きのカセットで、『My Favorite Things』を怪獣の名前にした曲とか入っていたが、聞いていて苦痛だった。
 このまま闇に葬ろう、と誓った。

 上京して、助監督からプロットライターになった頃、2代目のシンセサイザーを買った。録音するわけではなく、漫然と鳴らしていた。田舎に引き上げることになって、引越し業者に頼んだら、布団と同じ扱いでシンセサイザーを投げてトラックに積んでいて、嫌な予感がした。長崎に着いてシンセサイザーの電源を入れたら、つかなかった。二度とその業者に引っ越しには頼むまい、と誓った。

 長崎で会社勤めしてる時、3代目のシンセサイザーを買った。主に、Macに繋いで作曲ソフトの音源として使った。演奏でも使った。CD『ストップ!ザ・猛毒 — ランボルギーニ稗Hata With 消毒』とカセット『No More Nagasaki』の「放射能X」の曲でその音色は聴くことができる。(ともに三軒茶屋フジヤマで絶賛発売中!)
 京都で「少年ナイフ」と対バン経験があるという友人から、ドラムは拍を微妙にずらすといいですよと教えてもらったりした。その友人の見ている前で、買ったばかりの音楽ソフトを使っていたら、Macのファイルがみるみる書き換えられていく。ウイルスだった!
 急いでソフトをアンインストールした。
 友人のアドバイスでメーカーに苦情を訴えたが、相手はうちじゃないと言い張った。
 二度とそのメーカーのソフトは買うまい、と誓った。もっともどこのメーカーだったか忘れてしまったが……。

(つづく)

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