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自己紹介Ⅱ|海藻のひとになるまで



前日譚

海藻との出会いから始まった

こんにちは、海藻専門店SEASONの阿部です。

2020年、東北の片隅にある南三陸町で海藻ブランドSEASONは誕生しました。海藻を使ったバターや焼き菓子などの製造、そして海藻の陸上養殖にも挑戦する、生産から製造、食卓までを一気通貫で行う海藻の六次化を目指す、そんな小さなブランドです。

このnoteでは、私たちの取り組みと海藻の魅力をお伝えしていきたいと思います。「そもそもなぜ海藻なのか?」――これは最も多く受ける質問の一つです。その始まりの物語をお話ししたいと思います。

全ては父の一言から

5年前の2019年のこと。東日本大震災で被災した故郷に戻り、家業の建設会社に入社した自分に、父から投げかけられた言葉がありました。

「建設やる気ないだろ?何か熱を持ってやれる新規事業を考えてみろ」

半ば乱暴なその一言が、今のSEASONの始まりでした。当時はスタートアップブームで、新しいことを始めるには追い風が吹いている。「よし、一丁やってやろう」という気持ちで、地域の課題を探り始めました。

南三陸町という土地で

人口わずか12,000人の南三陸町。太平洋に面したリアス海岸、親潮と黒潮がぶつかり合う豊かな漁場を持つ三陸の小さな町です。

基幹産業は水産業。特徴的なのは「育てる漁業」が主流であること。帆立、牡蠣、ギンザケ、ワカメ、ホヤなど、養殖が盛んな土地柄です。

迷走の日々、そして運命の出会い

最初は製塩所を考えました。次に思い付いたのが陸上養殖。特にバナメイエビには魅力を感じましたが、初期投資の大きさやリスクの高さに躊躇。何でもできるけれど、何をすべきか分からない。そんな日々が続いていました。

そんな2018年の春のこと。いつもの夕ご飯の食卓なはずなのに、。

フノリの味噌汁
茎ワカメのショウガ和え
ヒジキごはん
メカブ...




「おい、おい、海藻だらけじゃないか」

3月、4月は海藻のシーズン。天然のフノリやヒジキ、養殖ワカメが旬を迎える時期です。当たり前すぎて気づかなかった食卓の風景が、その日は特別に見えました。小さい頃は気づきもしなかった海藻だらけの食卓が、自分の探し求めていたヒントが隠されていました。

マツモとの出会い、そしてSEASONへ


海藻マツモのしゃぶしゃぶ


特に私の心を掴んだのは「マツモ」という海藻です。地元でも春先に食べられる、いわば海藻の王様。しかし天然ものは希少で、市場にもほとんど出回りません。

この素晴らしい海藻をもっと多くの人に届けたい。そんな思いから、マツモの陸上養殖に挑戦することを決意し、2020年、海藻専門ブランドSEASONが誕生しました。

これからの夢


海藻専門店SEASON cafe&shop

現在、私たちは週末限定の海藻専門カフェの運営や、海藻を使った加工食品の製造を行っています。2025年春にはスナック専用工場の稼働も予定しており、マツモの陸上養殖研究も着実に進んでいます。


海藻マツモの陸上養殖

2030年に向けて掲げた私たちのビジョンは「Beyond the sea, Beyond the seen」。海の向こうへ、そして見える景色の先へ。海外展開や新たな挑戦を通じて、海藻の魅力を世界に広げていきたいと考えています。

「海藻との新しい出会いで、ココロ躍る体験を」

これが私たちSEASONのミッション。あの春の日、食卓で感じた感動を、より多くの方々と分かち合えることを願っています。

このnoteでは、SEASONの日々の取り組みはもちろん、海藻の持つ無限の可能性についても発信していきます。ぜひフォローをお願いします!

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