#4 キャリア教育のキソ
こんにちは!
毎週水曜日開講の【キャリアデザイン学超入門】へようこそ!
最近よく学校などで耳にする「キャリア教育」。今週は「キャリア教育とは何か」を分かりやすく5分くらいで読めるようにまとめました。
ちなみに「キャリア教育」は、僕が専攻したテーマということもあって、今週はより一層熱が入りますね~。(笑)
目次
1.「キャリア教育」とは
2.でも現実は…?
3.さいごに
4.参考文献
1.「キャリア教育」とは
キャリアという言葉自体について、かなり広い意味合いを持っているのにも関わらず、一般的なイメージは労働や仕事に偏っているのではないか?という疑問はすでにこれまでの投稿で述べてきました。
なので、そこを踏まえている方にとっては、今週の話は少しわかりやすいかもしれません。
「キャリア教育」と聞くと、「就職できるようになるための教育」とか「即戦力で働けるための教育」とかってイメージを持たれる方が多いと思います。それは間違いではないのですけれども、僕からはその認識は少し狭いと指摘させていただきます。
ここでは文部科学省の見解をもとに考察してみましょう。
中央教育審議会の答申(2011)では、キャリア教育を、
「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」
というように説明しています。
また、文中にある「キャリア発達」については、
「社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程」
と説明しています。
つまり、「社会とのかかわりを持ちながら、自己の実現を目指す過程」がキャリア発達であり、そういった成長の過程を支援するのがキャリア教育だと解釈することができます。
キャリア教育の中で発せられるメッセージは、「国や誰かのためにつべこべ言わず働け!」ということでもなく、「自分の好きなことだけをやりましょう!」ということでもないのです。自分のキャリア選択の際には、「(社会から)求められること」と「(自分の)やりたいこと」をバランスよく考えられるようになったらいいよねってことだと思うのです。
2.でも現実は…?
しかし実際は、そのように機能しているキャリア教育は少ないのではないでしょうか。
学校現場では、職場体験学習を行うだけでキャリア教育を行ったことにするという認識が持たれていたり、イベント的に年に数回進路関係の講話を聞く授業を行うだけであったりと、外付け感が強いことが指摘されています。
また、キャリア教育には自分の将来について考える機会を持つことが多いため、学校では単に生徒の就職活動や勉強へのモチベーションを向上させ、就職率や進学率を高める手段とされてしまって、その内容がとっつきやすい労働・仕事や進学先の情報に偏ったものになっているケースもあります。
さらに学校外では、キャリア教育を謳った、「やりたいことをやろう!」文化に影響された自己啓発・就活セミナー、会社説明会やインターンシップも少なくありません。
このように、僕たちの暮らす中にはたくさんの「キャリア教育(みたいなもの)」があふれています。しかし、そのどれを正解とするかは難しいので、キャリア教育の受け手としては、自分が受けているキャリア教育や、身近にいるキャリアモデルをきちんと他と比べて、一歩引いた視点で考えてみることが必要だと思います。今自分が受けている教育がすべてだと思わないことが、今後のキャリア選択の幅を広げておくためには大事なのです。
キャリア教育を行う側としては、一つ一つのプログラム自体は「社会軸」や「自分軸」に偏ったものであったとしても、全体のカリキュラムとしてはバランスよく機会を提供することが必要だと思います。社会人の話を聞くだけでなく、自分の経験を深堀りしたり、友達と意見をシェアしたり、実際に体験してみたり。大企業の人だけじゃなくて、ベンチャー企業や公務員、中小企業やNPOなど、幅広い人を呼んであげることが大切です。
何も、キャリア教育で悪いことを意図的に教えようとしている人はいないと思います。しかし、誰にとっても正解となるキャリア教育などは存在しないというのも事実だと思います。だからこそ、キャリア教育の担い手も受け手も、客観的に目の前のキャリア教育を捉えることが大切なのではないでしょうか。
3.さいごに
さて、今週の講義ではキャリア教育とは何か考えてみました。
大学でキャリア教育を専攻した身として、
キャリア教育は…
・社会の中で役割を果たしながら自己実現できるように支援すること
・現実にはその内容に偏りがある
・キャリア教育自体を客観視することが大事
という認識を皆さんに持っていただければ嬉しいです!
ま、この認識もあくまで僕の卒論がもとなので、皆さんには客観的に捉えてほしいんですけどね。(笑)
今日はここまで!
次の投稿は金曜日【Vivid Books #4 】です。
それではまた。
4.参考文献
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?